みやじ の登城備忘録

2018.4月スタートの続日本100名城スタンプラリーをメインに活動をしています。お城の散策と同時に地元B級グルメも堪能します。


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上総・真里谷要害城登城!超巨大な三重の三日月堀を求めて~

真里谷要害城

所在地:〒292-0201 千葉県木更津市真里谷1754

城地種類:山城。

築城年代:不詳。

築城者:不詳。

歴代城主: 不詳。

文化財史跡区分:無し(不明)。

西側から2条目の堀切

千葉県木更津市にマイナーではあるが、とてつもない土木量の遺構(堀切・横堀)が眠っている山城があるというので行ってきました。2023.3.12.登城。

真里谷要害城概要:

これだけの規模と土木量を誇る山城でありながら、築城年代や築城者等の詳細な情報は不明。場所は千葉県木更津市の、武田川の北側にある丘陵に築かれており、登城ルートは西側と南側の2カ所あるが、どちらも道と呼べるような道は無く、藪漕ぎと直登を強いられる難易度の高い山城となっています。(そこに残された遺構は、わざわざ見に行く価値のある凄い代物です)

西側ルートから登城

城の西側に妙泉寺があり、寺に行く途中の二股を右に進み山へと進んで行くと、こんな感じの場所に辿り着くので、ここを右に登って進んで行きます。

 

 

先程の道を進んで行くと、こちらの秋葉神社に辿り着きます。この神社裏から山へと登って行きます。

 

いきなり激藪…。

神社裏から登るのですが、いきなりコレ↑です。マジかよっ!道は無いのか…。先が思いやられます↓

 

 

こんな感じの場所はリュックサックを背負って移動できないので、激藪を迂回しながらだましだまし東へと登っていきます。(この時点で心折れかける自分…)

 

西側から1条目の堀

西側の秋葉神社から登って行くと、最初に現れるのがこちらの堀↑。縄張り図では「堀切からの横堀」に描かれていたが、実際に見ると横堀形状の堀となっていました。

 

ただ、地形的には尾根筋を断ち切っているので、堀の種類としては「堀切」になると思います。(見た目は横堀っぽいですが)

 

堀切の上(東)の郭

先程の堀切の上(東)にある郭となります。このように藪が無い部分もあるので、うまく激藪を避けながら東へと進んで行きます↓

 

西から2条目の大堀切

こちらの2条目の大堀切に出た時、思わず声がでる「おぉ~!凄い土木量だっ!」。もともとの地形を活かした高低差のある大堀切となっています。せっかくなので、こちらの大堀切を北端と南端からも見てみましょう↓

 

 

こちらが大堀切の北端から見た写真となります。何が凄いってこの幅と東側の高さです、元々の地形を活かしているとはいえ、その土木量に驚かされます。

 

 

こちらは堀切の南端から見た写真となります。堀切からの横堀といった感じで、この辺りまで来ると横堀として機能しているようです。この城の前に行った千本城で、時間をオーバーしてしまいこの時点で15:40分。日が暮れるまでに下山したいので先を急ぎます。

 

大堀切を上から

大堀切を上(東)から見たのがこちら↑。巨大ですねぇ~、この地形を活かした高低差のある堀切は大好物です。時間がないので先を急ぎます↓

 

帯郭

主郭の西側にあるⅡ郭と思われる郭の西側に、このような帯郭があります。時間が無いので先を急ぎます↓

 

Ⅱ郭

この辺りから再びの激藪…。いかんせん疲れてきたし、何よりも時間が無い。ここで自分の現在地を確認すると…。なっ、なんと!GPSアプリがフリーズしているではありませんかっ!初めてきた道のない激藪の山で、ログが途中(大堀切の所)で止まっているではありませんかっ!

 

大ピンチ!

初めて訪れた道のない激藪の山城で、GPSアプリがフリーズするというアクシデントが発生!…。すぐにこの状況をリカバリーする事に。①まず3回深呼吸して落ち着きます。②フリーズしたアプリを強制終了し、新たに立ち上げ現在地を確認。③時間が無いので、主郭周辺と南側、の散策は諦めて目的の三重堀へと進む。④ここで南側へと草が刈られた小道を発見したが、セオリーどおりに来た道を戻る。⑤山で道に迷うのは主に下りの時が多いので、地図アプリで現在地を確認しながら慎重に下山。と、こんな感じだったので、主郭と南側の散策は無しで、いきなり三重堀の手前からレポートを続けます。

 

三重堀手前にある郭

主郭から北へと向かい、郭を4つほどクリアするとこちらの郭へと着きます。若干、藪がある感じですが、ちゃんと削平された郭となっています。

 

 

この土塁の切れ目(虎口)から数メートル下に下り、1つ目の三日月堀へと向かいます↓

 

三重三日月堀・1本目(南側)

写真の左側から下り、西端から撮影した写真となります。この写真を見ると、「これが三日月堀?」と思うかもしれませんが、この横堀は規模がデカすぎて三日月堀の姿をフレームに収める事ができないのです。

 

中間地点

こちらが西端と東端の中間辺りとなります。この辺りは切岸と土塁の高さがかなりある感じで迫力があります。写真で見るとこんな感じですが、しっかりと弧を描いており、かなり巨大な三日月堀となっています。

 

 

こちらの土塁は南側の堀と中間の堀との間にある土塁です。せっかくなので、このまま東端まで行ってみます↓

 

三重三日月堀・1本目(東端)

先程の中間地点と比べると、明らかに堀幅と高低差が弱い感じ。400年以上の時間がこうさせたのか?はたまた元からこのような造りだったのか?それとも築城完成間近だったが、何らかの事情で築城がここでストップしたのか?とにかくこの三重堀の東側は不可解な造りが気になります。

 

三重三日月・2本目(東端)

三重堀の東端にいるので、そのまま2本目へと横に移動します。この東端部分は堀の高低差があまりないので、移動はラクチンです。(ちょっと藪ってますね)ここから2本目の横堀を西側へと移動します↓

 

 

こちらが三重堀の2本目、中央付近となります。先程の東端と比べると、堀の高低差が高く鋭くなっているのが見てとれます。このまま更に西へと進みます↓

 

三重三日月堀・2本目(西端)

この辺りは堀幅が広いですね。ここから北側の3本目に移動しようとしたのですが、高さと切岸が鋭く、しかも藪っていたので、一旦東端まで移動してから3本目へと移動しました。

 

三重三日月堀・3本目(東端)

こちらが3本目の三日月堀となります。気のせいか若干堀底が歩きやすいような気がします、誰かが手入れしてるのかな…?

 

 

こちらが3本目の中央付近となります。それにしても巨大な横堀で、写真では分からないですが弧を描きながら東西に展開しているので三日月状の横堀になっています。

 

 

こちらが↑3本目の西側付近となります。この辺りはしっかりとその形状を留めており、まさに圧巻の一言。

3本目西端

こちらが3本目の西端となります。この三重三日月堀は、西側登城ルートと南側登城ルート、どちらから登っても最終地区(どん詰まり)にあるので、それなりの準備と力量が求められる上級者向けになっている為、遭難等に十分注意しなければなりません。

 

下城

三重三日月堀を堪能したので、これで下山する事にしました。「行きはよいよい帰りは恐い」とはよく言ったもので、ここから道の無い激藪を必死に進み元来た通りに下山しました。(Ⅱ郭付近にあった南へと下る細道の確認は時間が無くて確認できませんでした)

 

マダニ現る

日暮れ前に無事下山する事ができ、靴を脱いで帰り支度をしていたら見つけました!小さくて見逃しそうになりますが、マダニです。3月の初頭でも居るんですね、千葉県は暖かいから要注意です。

 

真里谷要害城ログ

フリーズして強制終了したので、ありません。

 

真里谷要害城

見所ポイント堀切大堀切横堀三重三日月堀土塁、各曲輪、凄い激藪、等。

駐車場: 付近に駐車場無し。

総評:現在の千葉県木更津市に位置し、武田川北岸の標高107m(比高60m)の丘陵に築城された山城。城域もそれなりに大きく、主郭を中心に西南北の尾根上に郭や堀切等が施され、その土木量は一豪族ではなく、大名クラスの力と資金がないと築城できないと感じさせる程の山城。道も無く、激藪で難易度は高いが、大堀切と三重三日月堀はわざわざ苦労してまでも、見に行く価値は十分にあり、訪れた者を驚愕させる遺構となっています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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