みやじ の登城備忘録

2018.4月スタートの続日本100名城スタンプラリーをメインに活動をしています。お城の散策と同時に地元B級グルメも堪能します。


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都留市・勝山城再訪!蘇えりつつある、長大な内堀の姿~

勝山城

所在地:〒401-0337 山梨県都留市川棚。

城地種類:山城。

築城年代:不詳。

築城者:不詳(小山田氏か?)

歴代城主: 小山田氏・浅野氏・北条氏・秋元氏。

文化財史跡区分:県指定史跡。

内堀・三の丸南西

2022年秋に訪れた時よりも、今年(2023年)はさらに内堀がキレイになっているというので、再訪しました。

勝山城概要:

北側から南側まで180度桂川に囲まれた、標高571mの独立峰に築かれた山城。築城年代については諸説あり、「甲斐国志」には文禄三年(1594)に浅野左衛門左が築城したと記されていますが、おそらくは戦国期に小山田氏によって築かれたとされる説が有力になっています。その後、1704年に谷村藩主秋元氏が川越へ転封となった際に谷村城と共に廃城になりました。

勝山城案内図

桂川の川幅は約30m、岸から川面までの高さは20m以上の天然の水堀に、180度囲まれた天然の要害。いい場所に築かれた山城ですね、こちらの縄張図を参考にして勝山城をレポートしていきたいと思います。

 

駐車場とトイレ

登城口に駐車場とトイレが併設されています。場所はここ(35.552460, 138.902972)今回は、最近新たに造られた、内堀に直結する新ルートから登城してみます。こちらのトイレ南側に外堀跡があるので、それを見てから登城します↓

 

外堀跡

以外ですが、現在でもその面影をみる事ができました。(幅が結構ありますね)早速、新しくできた新ルートへと向かいます↓

 

 

こちらが新しくできた新ルートとなります。民家と畑の間を入って行く小さな登城道となっています。

 

新ルート合流地点(内堀)

先ほどの新ルートを登って行くと、こちらの内堀に到着します。位置的には縄張り図のとなります。以前はこの内堀、超激藪で一部のマニアしか入らなかったのですが、近年の整備事業によりこのように藪が無くなり綺麗になりました。

 

 

こちらの内堀は、城の西側から南側まで続く長大な横堀となっており、その横堀の東側は高さのある城塁切岸になっています。せっかくなので、この部分の内堀を動画にしてみました↓

 


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本丸西側

内堀を北に向かって進んで行くと、本丸西側の帯曲輪の下付近に、こんな感じで石材が散乱している場所があります。かつてここ勝山城は、石垣造りの織豊系の山城であった可能性があり、こちらの石材はその石垣に使用されていたものと考えられています。

 

内堀は本丸の北西までとなっており、そこから小道を進み本丸の北側にある北尾根へと進みます。この先に堀切があり、堀切の北に大沢見張台があります。では、早速見に行ってみましょう↓

 

北尾根の堀切

ここ勝山城は山城なのに、堀切や竪堀があまり確認されていません。そういう意味においてはとても貴重な堀切遺構となります。

 

 

堀切の両サイドは、このように竪堀として下っていきます。

 

 

大沢見張台側からの堀切となります。

 

大沢見張台

往時、ここからは北側はもちろんのこと、北東~北西まで見渡せる場所でした。現在は樹木が生い茂り何も見えません。

 

推定茶坪蔵跡

こちらの石列(目印で置いてある?)がある曲輪跡が、推定茶壷蔵跡となります。せっかくなので、見てみましょう↓

 

 

江戸時代に茶壺道中で運ばれた将軍家献上用のお茶壺を、夏の間、比較的涼しかったであろう、勝山城の茶蔵に保管したと伝えられてきました。このまま南下し、本丸へと向かいます↓

 

本丸北側の石垣

先ほどの北尾根から本丸へと入るトイレ横に、こちらの石垣(石積み)があります。形状から察するに土留めのための石垣(石積み)でしょうか。

 

勝山城本丸

こちらが勝山城の本丸となります。「東照大権現」と書いてあります、徳川家康の勅諡号(ちょくしごう)のことです。

 

 

本丸からの景色はこんな感じ。春に来ればこのような景色を見ることができます↓

 

 

ここ勝山城には多くの桜の木が植えられており、春になると地元の人達の憩いの場になります。ここから北東へと進み、硝煙蔵源生見張台へと進みます↓

 

硝煙蔵跡

硝煙蔵といわれているので、ここで火薬の保管をしたという事でしょうか。ここから東へと進み、多くの訪城者が辿り着けない「源生見張台」へと進みます↓

 

 

先ほどの硝煙蔵跡を北東へ下り、そのまま道なりに進む(写真左側)と何もないので、注意が必要です。この黄色の矢印へと突入してください。

 

 

因みに、先ほどの場所を道なりに進むと、こちらの何もない北東の尾根へ出ます。念のため、下まで下って遺構がないか確認しましたが、当然の如く何もありませんでした。位置的には縄張図の②となります。

 

源生見張台へ

先程の突入ポイントから、こんな感じの藪をかき分けて更に進みます↓

 

 

こちらが源生見張台手前にある曲輪となります。この先に源生見張台があるので、このまま藪漕ぎして進みます↓

 

源生見張台

こちらが源生見張台となります。ここも大沢見張台同様に、眺望はまったく良くありません。昔はここに来る道があったように記憶していたのですが……。ここで一旦本丸へと戻り、そこから南側へと進みます↓

 

本丸南側の石垣跡

本丸の南側、曲輪の下にある石垣(石積み)跡となります。

 

二の丸

本丸の南側から西側までと、西側から帯曲輪で北側までの範囲で本丸を囲む造りとなっています。

 

帯曲輪

こちらの場所にも石材が転がっているので、確認してください。

 

三の丸

こちらが三の丸となります。三の丸の東南側は大手道が通っており、その大手道を側方から見おろす(攻撃できる)形の構造となっています。

 

 

三の丸から見る、二の丸切岸となります。400年程経過していると思われますが、高さと角度がありますね。ここでいったん二の丸へと戻り、帯曲輪を経由して再び内堀へと入り、内堀を南下して駐車場へと戻りたいと思います↓

 

内堀・三の丸西側

場所的には縄張図の①になります。10年前に来た時は超激藪で前もろくに見えない状態だったのに、本当に綺麗になりました。

 

 

内堀こと、この長大な横堀は深さ自体はそれ程でもありません。しかし、その東側の二の丸、三の丸、南尾根、の城塁切岸が高くて鋭い急斜面なので堀底から見上げると、とてつもなく深い堀の中にいる錯覚に陥ります。

 

内堀の堀底から見上げた、東側斜面の切岸となります。寄せ手からしたら絶望的な高さと角度ですね。勝山城の内堀、何と恐ろしい横堀でしょうか…。せっかくなので、動画も撮影してみました↓

 


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内堀南端

写真は去年の11月の物となります。ここから駐車場へと下り家路につきました。

 

勝山城ログ

時間:1時間40分。内堀に見とれてしまい、時間がかかりました。

距離:2.5km、シンプルな縄張りですが、意外にも距離がありました。

標高・比高:標高は571m、比高は90m(駐車場からの比高)。

 

広域

こうして見ると、桂川がぐるりと勝山城を囲み、天然の水堀として機能しているのが見てとれます。なので、緩斜面で防御が手薄な西側を中心に内堀や石垣で守りを固めたのではないでしょうか?。

勝山城

見所ポイント本丸二の丸三の丸内堀外堀跡、石垣跡、各見張台、帯曲輪、等

駐車場: 城南側にトイレと併設。緯度経度(35.552460, 138.902972)。

総評・標高:現在の山梨県都留市川棚に位置し、標高571m(比高90m)の独立峰に構築され、郡内地域の街道を監視する役目と詰城としての役目を担った山城。最近整備が進み、とても見やすくなった見事な内堀や石積み等、とても見所がある山城で再訪した甲斐がありました。こんなにも見事な長大な内堀(横堀)を見に週末あたり訪れてはいかがでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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