みやじ の登城備忘録

2018.4月スタートの続日本100名城スタンプラリーをメインに活動をしています。お城の散策と同時に地元B級グルメも堪能します。


お城巡りランキングクリックしてね!

陸奥・前川本城登城!巨大空堀と連続虎口を備える土の城~

前川本城(まえかわ もとしろ)

別名:中ノ内城、錦ヶ館、。

所在地:〒989-1501 宮城県柴田郡川崎町前川本城山

城地種類: 山城。

築城年代:不詳。

築城者:砂金氏(いさごし)。

主な関連施設:無し。

文化財史跡区分: 無し。

二重堀外側

宮城県柴田郡川崎町に、「巨大な空堀と技巧的な連続虎口を有する山城がある」というので行ってきました。2022.10.9.登城。

前川本城概要:

ここ前川本城は、伊達氏の配下になった砂金氏(いさごし)の居城であったと云われています。(天正3年)1575年に砂金城から、この城を築いて移りました。その後、江戸時代初頭に砂金実常が川崎城を築いて移ったためここ、前川本城は廃城となりました。

説明看板&駐車場

城址説明看板があるこちらのスペース(38.170058, 140.631646)にパンフレットがあり、1~2台駐車可能です。では説明看板をアップで見てみます↓

 

 

こちらの説明看板はまだ新しい感じです。パンフレットがあるのは意外でした。

 

搦手虎口

先程の説明看板から西に進んで行くと東屋があり、そこから山へと入って行くとこちらの虎口に辿り着きます。この手前の左側(西側)は巨大な二重の空堀となっており、何も知らない敵兵がそちらへ入ると土塁上から狙い撃ちされ、そまま進めたとしても北側は崖で行き止まりになっているので逃げ場がありません。(恐ろしいですね)

二の丸広場

先程の搦手虎口を入るとこちらの二の丸に辿り着きます。この曲輪の西側は巨大な空堀沿いに囲み土塁が北側の崖まで続いていきます。

 

本丸土塁と空堀

先程の二の丸東側にも大きな曲輪があり、パンフレットには何も書いてないが当ブログではこの曲輪を三の丸と以下表記します。その三の丸北側に本丸南虎口がありますが、まずは本丸空堀沿いに北側まで移動して空堀を見学したいと思います↓

 

 

本丸の西側に位置する空堀と土塁となります。このまま北側の崖まで続いて行きます。

ここで一旦戻り、本丸南虎口から内部へと入っていきます↓

 

本丸虎口から西をみる

虎口から本丸に入り、左(西)を見たの風景がこちら↑。ご覧の通り、本丸の外周は土塁によってぐるりと囲まれており、本丸の空堀と共に防御施設の一つとして機能していたと考えられます。

 

 

文化財指定区分で指定無しなのに、城内はこのようにキレイに整備されています。頭が下がります、ありがとうございます。

 

本丸の標柱と案内図

案内図にもありますが、本丸の西側にある巨大な空堀が最大の見所ポイントになっています。

 

本丸北側は崖

城の北側は立野川と崖によって侵入者を寄せ付けない天険の要害となっており、本丸はこの北側の崖沿いに曲輪を配置してあります。この城の最大の見所ポイントである、巨大な空堀は最後に見学するとして、まずは東へと進み馬出曲輪と連続虎口、そして大手口へと進んで見学していきます。

 

本丸東・馬出曲輪

写真向かって左(西側)が本丸、中央が本丸の囲み土塁、写真右(東側)が馬出曲輪となります。この辺りの本丸と馬出曲輪にはある程度の高低差がしっかりと設けられています。このまま180度回れ右をするとこちら↓

 

本丸の東虎口となります、この虎口を通って東へと進んでみましょう↓

 

石積み造りの枡形虎口

現在はこんな感じですが、往時は小さめの石で枡形内部は石積みで囲まれていたのでしょうか?

 

ここに来るまでに3回折れ曲がり、それぞれが虎口として機能するという何とも技巧的な造りになっています。

 

 

何度も折れ曲がり執拗に虎口を配置するとても複雑な構造になっています。

 

 

東端の曲輪北側を沿うように大手道が敷設されています、このまま大手道を下り東端の曲輪の切岸を見てみます↓

 

数百年経過してもご覧の通り、その形状をよく保っています。これで東側の大手道、連続虎口、馬出曲輪、と散策は終了、いったん本丸まで戻り西側にある巨大な空堀を見に行きます↓

 

二の丸西側土塁と空堀

城域の北側は断崖絶壁になっており、そこを起点にして西側の尾根を分断する大きな二重の空堀(正確には堀切)がそこにはあります!まずはその二重堀切の内側内部を見てみます↓

 

凄い土木量ですね。これが二重に長く、城の南西まで張り巡らされているのですから驚きです。

 

三重?の部分

この遺構は正確に言うと、三重の空堀ではなく、「二重の堀切内に中土塁みたいな物があり、その土塁と外側の土塁間が少しへこんでいる」といったところでしょうか。

恐らくこの部分にある程度の人員を配置して、守備や連絡等の任務を課していたのではないでしょうか?知らんけど…。

 

空堀内側を南側から

北西の空堀起点部分から堀底に下りられるようになっているので、そこから堀底へと下りてみました。南西まで歩いてみましたが、かなりの距離なので相当な土木量の工事であった事が分かります。

 

こんな感じで空堀は更に南西へと続いていきます。南西の搦手まで空堀は続いていきます、そこで今度は外側の空堀へとそのまま入り、空堀の起点となる北西まで歩いてみます↓

 

外側(西側)の高さは少し低くなっています。これを手作業で掘ったのか、凄いな…。

 

 

この辺りは、ちょうど西側辺りでしょうか?最後にこの変則二重空堀(堀切)を二の丸から見てみます↓

二の丸からの二重空堀

本当に凄い土木量で、終始感動と興奮が収まる事がありませんでした。これだけ凄い遺構が良好な状態で現存している山城が指定史跡でない事が不思議。国指定史跡でもおかしくないので宮城県には頑張ってもらいたいと思います。これで前川本城の散策は終了!下城して次の城へと向かいました。

 

前川本城ログ

時間:1時間18分。城域はそれほど広くはないので、ゆっくり見学してもこんな感じ。

距離:2.1km、山城とはいえ平山城といっても過言ではないので割と楽な感じ。

標高・比高:標高は225m、比高は46m(案内看板からの比高)。

 

前川本城

見所ポイント変則二重空堀、本丸、二の丸、土塁、馬出、連続虎口石積、等。

駐車場城址案内看板の横に1~2台程度(38.170058, 140.631646)。

総評:現在の宮城県柴田郡川崎町に位置していて、立野川と前川に挟まれた丘陵上に東西に細長く築かれた山城(山城といってもほぼ平山城)。城の西側に展開する超巨大な変則二重空堀と曲輪に沿って続く土塁、そして城の東側大手に造られた枡形を含む連続虎口などが良好な状態で遺っています。こんな見所満載で度肝を抜かれる土木量の城、” 前川本城 ” に週末あたり訪れてみてはいかがでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

記事が気に入った方はクリックして下さい。
お城巡りランキング