みやじ の登城備忘録

2018.4月スタートの続日本100名城スタンプラリーをメインに活動をしています。お城の散策と同時に地元B級グルメも堪能します。


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駿河・小長井城登城!空堀・土塁と重ね馬出にみる武田流築城術~

小長井城

別名:小長谷城、徳谷城。

所在地:〒428-0414 静岡県川根本町東藤川1240。

城地種類: 山城。

築城年代:不明、室町時代中期以降か?。

築城者:小長谷(井)氏 。

主な関連施設:無し。

文化財史跡区分: 町指定史跡。

3号堀を北側から

静岡県川根本町空堀と土塁、そして重ね馬出が凄い城があるというので行ってきました。2022.6.18.登城。

小長井城概要:

室町時代中期以降に小長谷氏によって築城されたと云われています。この辺りを治めていた今川氏に仕えていましたが、永禄11年(1568)武田信玄駿河侵攻により、武田氏の傘下に加わり城は大きく改築されました。その後、武田氏の滅亡後、徳川の管理下に置かれましたが、しばらくして廃城となりました。

小長井城縄張図

城内にこちらの案内看板があったので、こちらの案内看板をもとにレポートしていきたいと思います。

駐車場

ここ小長井城はかなりの山奥にあるのですが、当然移動手段は車となります。ですが小長井城に駐車場は無いのでここに停めました。

 

登城口

城の西側、5号堀の間を通り城内へと入ります。

 

5号堀

城の西側はこのような空堀が周囲を巡っており、重要な防御施設として機能していました。早速城内へと入り、三の丸を見てみます↓

 

三の丸

ここ小長井城は本丸~二の丸~三の丸と雛壇状になっており、三の丸虎口と二の丸の虎口は枡形虎口となっており、往時の改築における築城技術の高さがうかがえる遺構となっています。

 

こちらは三の丸北西の囲み土塁ですが、このように曲輪内を沿うように土塁が張り巡らされています。

 

二の丸

雛壇状に展開する曲輪の中央部分となります。ここには井戸があり、説明看板があるので見に行きます↓

 

 

ここ小長井城は神社の境内でもあるので、近代までしっかりと整備されている感じです。説明看板があったので見てみます↓

 

意外にも説明看板は新しい感じです。

 

二の丸土塁

ここ二の丸においても囲み土塁は健在で、ご覧の通り見事な土塁が巡らされています。

二の丸の上(東)に本丸があり、現在では徳谷神社の社が置かれています。早速神社裏の1号堀を見に行きます↓

 

本丸東側・1号堀

写真を撮った場所は縄張図の①となります。このような感じで本丸の東側は大きな空堀で守られています。

 

1号堀を東側から見た構図となります。堀があり、切岸の上に見えるのが神社の建物となります。やはり本丸側の土塁の高さと切岸の鋭さはさすがですね。

 

丸馬出内部

場所は縄張図の②となります。いよいよここから小長井城の最大の見所ポイントである重ね馬出部分を見に行きます↓

 

丸馬出の三日月堀

案内看板には「3号堀」と表記されている、丸馬出の堀となります。素晴らしいですね、しっかりとその形状を保っています。

 

 

先程の場所から南へと移動し、角馬出へと繋がる土橋上から丸馬出を撮影してみました。これまた見事な三日月堀がそこにはありました。

 

 

あまりにも見事なので、再び北側へと移動して三日月堀を撮影してみました。諏訪原城を彷彿させる見事なまでの丸馬出に感動。

 

2号堀~3号堀間の土橋

2号堀と3号堀の間にある土橋となります。ここから南へと進み、3号堀を東から見たのちに4号堀(角馬出)へと進みます。

 

 

丸馬出を東側から見た構図となります。見事なまでの曲線美に感動と興奮を抑えきれません。

 

角馬出内部

こちらは角馬出の内部となります、写真左側の盛り上がった土塁が東側で、この土塁の向こう側に四角い堀があります。この土塁をよく見て見ます↓

 

 

数百年の時が経ってはいますが、その形状を確認する事ができます。

 

角馬出を南から

場所は縄張図の③となります。この写真では丸馬出みたいに見えますが、角の部分が丸くなっているのでそう見えます。

 

 

見事な角馬出の堀部分です、しかし何故?丸馬出の前方に角馬出なのか?まったくもって理解できません。

 

 

あまりにも角馬出が素晴らしいので、再び北側へと移動して北側からも見てみました。

本当に素晴らしいですね、もしかしたら武田氏の後に徳川氏によって造られた可能性も無きにしも非ずといったところでしょうか。

 

角馬出を東側から

せっかくなので、角馬出を東側からも見てみました。ちょっと分かりにくいですね、馬出を写真に撮るのがまあ難しい事…。これで本丸、二の丸、三の丸、丸馬出、角馬出の散策は終了、道を挟んで北側の海洋センターを見ながら下城します。

 

海洋センター

本来であればここも城域で、堀や土塁があったとされています。これで小長井城の散策は終了、下城しました。

 

小長井城ログ

時間:55分、大きな居館みたいな感じなので移動は楽です。

距離:1.3km、大きな居館跡みたいな感じなのでこんな感じ。

標高・比高:標高は369m、比高は駐車場から29mでした。

 

広域

ここ小長井城は、物凄い山奥にあったのですが、意外にも駅近物件であった事に驚きました。

小長井城

見所ポイント丸馬出角馬出各横堀土塁、各曲輪、枡形虎口、等。

駐車場:なるさわ橋のたもとに1台。

総評:現在の静岡県川根本町に位置し、川根街道や甲斐方面へと繋がる街道の近くにあり、まさに陸上交通の要衝に築かれた山城。大井川東岸の河岸段丘上に雛壇状に曲輪を配置し、巨大な空堀と馬出などを巧みに配置して、比高の少ない防御上不利な点を克服せんとする見事な防御構造の縄張となっています。現在においてもその状態の良い遺構の数々を現存させていて、とても見応えがある城跡になっています。こんな「重ね馬出」が見事な ” 小長井城 ” に週末あたり訪れてみてはいかがでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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