脇本城
別名:涌元城、生鼻城、太平城。
城地種類: 山城。
築城年代:不明。
築城者:不明。
主な関連施設:史跡脇本城跡案内所(続100名城スタンプ)。
文化財史跡区分: 国指定史跡。
南端からの眺望
2017年4月6日の「城の日」に財団法人日本城郭協会が続日本100名城を発表しました。秋田県からは 秋田城、そしてここ” 脇本城 ”が選ばれました。スタンプを押したうえで登城数をカウントしたいと思います。今回の ” 脇本城 ”をもって続日本100名城、登城47城目とします。2022.9.24.登城。
脇本城概要:
男鹿半島の生鼻崎に築かれた山城で、築城年代や築城者等詳細は不明。城域は広大で、実に150ha(東京ドーム32個分)もあり、内館・馬乗り場・兜ヶ崎と三つの部分で構成され、江戸時代初頭に廃城となるまで、土の城として機能していたと考えられています。
登城口と案内看板
国道101号線道路脇に専用駐車場(39.903102, 139.894748)があり、その登り口にこちらの案内看板があります。
脇本城案内所
こちらの史跡脇本城案内所にパンフレットと続日本100名城のスタンプが設置してあります。
縄張内にある遺構の状態を記したものがこれ↑。土塁の位置が把握できるのでとても重宝します。
中央部の曲輪
案内所から登って行くと山頂に着きます、その祭に最初に南側に現れる曲輪がこちら。
国指定史跡なので、説明看板も充実しています。
先程の曲輪から西側へと移動し、ここに連なる曲輪群から南側へと進んでいきます。
南北に連なる曲輪群の西側には、現在でも土塁を見る事ができます。
平坦部からの高さは2m位でしょうか?これなら風除けにもなりますね。
南端の曲輪
この先(海側)は崩落個所なので、立入禁止となっています。近くに説明版があったので見てみます↓
発掘調査時の写真が良いですね。この南端の曲輪東側に竪堀があるので見に行きます↓
こちらが竪堀の跡となります。現在ではこんな感じですが、往時は凄かったんですよきっと…。これで南側の散策は終了、北側へと移動します↓
南側から内館をみる
正面にみえる窪みは、内館を東西に分断する空堀となります、さっそく北へと移動し内館内部を散策します。
内館切岸と天下道
内館を通過する古道で、明治時代まで使用されていたらしい。ここで東側へと進み、東端の曲輪を見に行きます↓
東端の曲輪と眺望
この場所は日本海、秋田市と太平山、大潟村を見渡す事ができ、眼下にはかつての城下町であった脇本本郷の集落が広がっています。(案内版より抜粋)
東端の曲輪の説明版となります。この居館を取り囲むように盛られた土塁を早速見に行きます↓
内館・大土塁
居館を取り囲むように盛られた土塁が、現在でもこのように見る事ができます。違う角度からも見てみます↓
南側見た大土塁がこちら↑。良いですねぇ~!この土木量がたまらないです。
東側へと向かってなだらかに土塁が下って行きます。ここで大土塁の西側へと下りてみます↓
大土塁切岸と井戸跡
こちら側(西側)から見ると大土塁の高さが良く分かりますね、5m近くあるでしょうか?その近くに井戸跡らしきものもありました。説明版があったので見てみます↓
大土塁の高さは6mだそうです、凄いですね。やはり井戸跡でした。
主郭部から見る空堀
内館を大きく東西に分断する大空堀となります。空堀の稜線がやや不明瞭な点がありますが、この辺りは数百年経過しているので致し方なしといったところでしょうか。
先程の反対側(西側)から見た空堀となります。
西端の曲輪と土塁
この辺りの曲輪には井戸跡が数個乱立している感じで、水が出やすい地層のような感じでした。これで脇本城の散策は終了、下城してホテルへと向かいました。
スタンプ押印
スタンプ設置場所:史跡脇本城跡案内所(終日利用可)。
スタンプの状態: " 普通 " 悪くはない感じ。
スタンプの印影:どこ?。
脇本城ログ
時間:1時間3分とありますが、城域全てを見たら1日かかります。
距離:2.7km、この一部分だけなので、全てをみたら10km越えます。
標高・比高:標高は98m、比高は93m(麓駐車場からの比高)。
生鼻崎の先端にある斜線部分は現在、土砂崩れで断崖絶壁になっています。危険なので先端には近寄らないでください。
脇本城
見所ポイント:南側曲輪群、土塁、空堀、竪堀、居館跡、大土塁、井戸跡、眺望、等。
駐車場:国道101号線道路沿いに専用駐車場あり。
総評:現在の秋田県男鹿市に位置し、男鹿半島の付け根にある生鼻崎丘陵に築かれた山城。江戸時代初頭の廃城後も城域の開発等がほとんどされなかった事と、地元の人達による城域の環境整備が持続されてきたことから、内館を中心に土の遺構が良好な状態で遺っています。こんな「安東三城」のひとつと云われる ” 脇本城 ” に週末あたり訪れてみてはいかがでしょうか。