みやじ の登城備忘録

2018.4月スタートの続日本100名城スタンプラリーをメインに活動をしています。お城の散策と同時に地元B級グルメも堪能します。


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上総・千本城登城!広大な城域に展開する岩盤堀切群~

千本城

所在地:〒292-0503 千葉県君津市広岡1524。

城地種類:山城。

築城年代:不詳。

築城者:不詳(里見氏か?)

歴代城主:東平安芸守 。

文化財史跡区分:指定無し(不明)。

南端大堀切

千葉県君津市にマイナーではあるが、とても素晴らしい堀切群を有する山城があるというので行ってきました。2023.3.11.登城。

千本城概要:

築城年代等、詳細は不明。久留里城の南西3.5km(道のり6.5km)の場所にある事から、里見氏久留里城の支城であった可能性があり、城主は里見氏の家臣であった東平安芸守の名が記録に残っています。

登城開始!

専用駐車場(2~3台)に駐車し、登城道を進んで行くと、道が男坂と女坂の二手に分かれます。南端の大堀切を見るには右手のやや荒れた道を進みます。

 

南端大堀切

暫く進むとこちらの南端大堀切がお出迎えしてくれます。こちらは堀切の北側側壁となります。

 

 

大堀切を東側から見たのがこちら↑。凄いですね、これだけの大堀切はなかなかお目にかかれないので感動もひとしお。

 

南端大堀切・動画


www.youtube.com

 

 

 

この堀切だけでも見に来る価値はありますね!ここで堀切の北側へと登って上から堀切内部を見てみます↓

 

 

ちょっと分かりにくいですが、その高さ(深さ)と堀切の幅がみてとれます。ここから北側へと進み主郭を目指して進んで行きます↓

 

南から2条目の堀切

この辺りは、両サイドがほぼ垂直の切岸(崖)になっており、このように堀切がある事で高い防御性を確立しています。

 

 

先程の堀切を下に下りて撮影してみました。堀底が埋まっているのか?元々この様な形だったのか?この堀切をまた上に登り、3条目の堀切へと進みます。

 

南から3条目の堀切

この南尾根を執拗に堀切で遮断し、その防御性の高さに驚かされます。早速下に下りて堀切をサイドから見てみます↓

 

 

こちらの堀切も実に見事なものとなっております。この南尾根は基本岩盤系な地質なので、堀切も良好な状態で現存しており、見応えがあります。またこの堀切北側へと登り、南から4条目の堀切へと進みます↓

 

南から4条目の堀切(主郭南側)

南から4条目、つまり主郭の南側直下の堀切となります。主郭と南尾根を遮る堀切なだけに、その規模の大きさに感動を隠し切れません。

 

 

先程の堀切を下に下りて横から撮影したのがこちら↑。高低差がありすぎてカメラのフレームに収まりません。南尾根の連続堀切群は見ごたえありますね、これでまた堀切を北側へと登って、北野神社のある主郭へと進みます↓

 

北野神社境内(主郭)

こちらの北野神社がある曲輪が主郭とされています。

 

 

ここから南尾根は先程レポートしたとおり、細尾根に設けられた連続する岩盤堀切で守られており、西側の尾根とも巨大な堀切で遮られ、おまけにこの主郭の城塁は垂直削崖で守られ、まさに要害堅固な山城となっています。

 

主郭西側の大堀切

主郭の西側には西尾根があるのですが、この西尾根から主郭へはこちらの大堀切が尾根筋を遮断しているので、その防御性は高い。

 

主郭北側の段曲輪群

主郭の北側には小さな曲輪群が連なっており、それぞれ段差が設けられている造りとなっています。

 

八反崖側の囲み土塁

主郭北側の段郭群を過ぎ、用替のさらに北側の曲輪には、この様に西側に対して囲み土塁が展開しています。

 

因みにこの左側(西側)はオーバーハングした崖になっており、落ちれば死ぬくらいの高さのため、注意が必要です。

 

 

この様に高さ1m~1.5m程度の土塁がしっかりと西側を囲っています。

 

 

この部分だけ何故か土塁に切れ目が入っていました?。

 

鉄塔

先程の土塁がある曲輪から更に北側へと進むと、大きな曲輪の東側にこの鉄塔があります。ただ、この鉄塔に辿り着くまでには、台風で倒れた倒木のジャングルをクリアしなければなりません。(倒木ウォーク必須!)

 

倒木ジャングルを無事に抜けると、この様に開けた歩きやすい場所に出ます。この右手(東側)に鉄塔があり、その先にお目当てのクランク土塁があります。

 

先程の場所を北へと進むと、曲輪と曲輪との段差部分に辿り着きます。この部分の段差はかなりの高低差がある感じとなっています。ここから鉄塔側へと進み、目的の土塁と

堀(堀切)を見に行きます↓

 

クランク形状の土塁

鉄塔の北側にはかつて池があった場所に、この様な土塁が堀と池に沿って設けられています。

 

こちら側からの高さは2m位でしょうか?この反対側は池跡になっており、池跡側の高さは4m位の高低差になっている感じです。

 

 

土塁は2か所の折れがあり、こちらがその折れている部分となります。

 

土塁の折れてる部分をアップにして見てみます↑。こんな感じで垂直にカクッと曲がっています。せっかくなので、池跡も見て見ます↓

 

池跡

当日行ったときはご覧の通り、干上がっていました。

 

新曲輪南側の空堀

クランク形状の土塁がある曲輪と新曲輪とを隔てる堀切で、そこから東側へと横堀状に展開しながら池跡へと続いていきます。これでひとまず散策を終了し、来た道を戻って南端の大堀切を見に行きます↓(いま一度、この堀切を見たかった)

 

いや~!凄いですね!これだけの堀切は、なかなかお目にかかれないですよ。

 

 

良いですね!堀切好きにはたまらない光景が広がっています。この堀切に見惚れて時間をかけ過ぎ、この後に行った真里谷要害城でピンチに陥ることになるとは、この時はまだ知る由もなかった。

 

千本城ログ

時間:2時間32分、堀切に見惚れたのと、倒木ジャングルで時間かかり過ぎました。

距離:2.6km、南北に細長く、城域はかなりの広さがありました。

標高・比高:標高は157m、比高は75m(駐車場からの比高)。

 

広域

こうして見ると北側と東側は斜面のキツイ山々で囲まれていて容易に近づけない事が見てとれます。南側は細い尾根筋を4条の垂直岩盤堀切で守っており、西側は垂直の崖で登る事が困難なので、ここ千本城はかなり要害堅固な山城といえます。

千本城

見所ポイント:本丸、南尾根の岩盤堀切群土塁クランク形状の土塁各曲輪、等

駐車場: この辺り(35.258723, 140.068792)に2~3台。

総評:現在の千葉県君津市に位置し、標高157m(比高75m)の丘陵に築城された山城。眼下に流れる小櫃川と久留里街道を監視、守るうえで最適な位置ともいえる場所に築城されたここ千本城。崖や土塁、岩盤堀切で守られた要害堅固なその姿に、感嘆の声を抑える事ができませんでした。こんなにも見事な岩盤堀切群とクランク土塁を見に、週末あたり訪れてはいかがでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

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