みやじ の登城備忘録

2018.4月スタートの続日本100名城スタンプラリーをメインに活動をしています。お城の散策と同時に地元B級グルメも堪能します。


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越前・戌山城登城!見事な堀切群と畝状竪堀群が遺る山城~

戌山城

別名犬山城

所在地:〒912-0094 福井県大野市上丁。

城地種類: 山城。

築城年代:不明・南北朝時代頃?。

築城者:斯波義種か? 。

主な関連施設:無し。

文化財史跡区分: 市指定史跡。

北尾根東の畝状竪堀

福井県大野市に、見事な堀切群と畝状竪堀群を有する山城があるというので、行ってきました。2022.5.4.登城。

戌山城概要:

戌山城は南北朝時代頃に斯波義種によって、築かれたと云われています。斯波氏の後は朝倉氏が戌山城を有しますが、織田信長が朝倉氏を滅ぼすと信長配下の金森長近が城主となります。その後、麓に大野城を築いて移ると戌山城は廃城となりました。

戌山城鳥観図

出典元:「余湖君のホームページ」http://yogokun.my.coocan.jp/ こちらの「余湖」さんが作図された鳥観図はとても見やすいですね。 南北が逆になっていますが、登城口は「みくら清水」から登るので、見やすいように南北が逆になっています。以下、こちらの鳥観図を元にレポートしていきます。

登城口

登城口はここと、南側の展望台側からの2つがメインとなります。今回は戌山城の遺構がメインなので、ここ「みくら清水」から登ります。

北尾根1条目堀切

登城口からまあまあキツイ山道を登って行くと1条目の堀切が現れますが、この堀切は正直言ってこんなもんです。どんどん進みます↓

 

1条目から2条目へと向かう北尾根の様子となります。こんな感じの尾根道が暫く続きます。

北尾根2条目堀切

こちらの北尾根2条目から堀切が本気を出し始めます。この戌山城の堀切の特徴は自然の地形を最大限に利用した、「高低差」のある堀切である事です。尚、堀切の両サイドは竪堀として深く、長く、斜面の下っていきます。

堀切両サイドの竪堀

 

 堀切東側の竪堀↑      堀切西側の竪堀↑

この様にしっかりとした竪堀が、現在でもはっきりと確認できます。このすぐ先に3条目の堀切があるので見に行きます↓

北尾根3条目堀切

北尾根3条目堀切を西側から見た構図となります。この様に山の地形を利用した堀切なので、自然と高低差が高くなます。ここも堀切のサイドは竪堀になっているので見てみましょう↓

 

竪堀が何処まで続いているのか竪堀の先を見ましたが、目視で確認できる場所よりも先へと続いていっている様子でした。

北尾根4条目堀切

この4条目の堀切は南側(主郭側)から撮影してみました。これでもまだ堀切の半分位の場所で、これ以上登ると堀切がフレームに収まらないのでここから撮影します。

この高低差が半端ない感じで、ここ戌山城の堀切の特徴となっています。せっかくなので横からも見てみます↓

 

北側はご覧の通り、こんな感じなのですが、南側(主郭側)はこの倍以上の高さの堀切法面が続いて行きます。そしてここ4条目の堀切も両サイドが竪堀として豪快に下っていきます↓

 

 堀切西側の竪堀     堀切東側の堀切

 

腰曲輪

場所は鳥観図のとなります。北尾根4条目の堀切を登り切るとこちらの " 腰曲輪 " へと着きます。このすぐ上部が主郭になっており、その北側の切岸にこの山城で一番状態の良い畝状竪堀群があるので見に行きます↓

西側から1条目の竪堀

場所は鳥観図のとなります。主郭北側の切岸には豪快に掘られた竪堀が3条、連続竪堀として施されています。そのうちの西側から1条目の竪堀となります。下り始めはこんな感じですが、その後竪堀が急降下してきます、その様子を見てみます↓

西側から1条目、途中から

こちらは1条目堀切の途中からの写真となります。(切岸を下り、急斜面になるところ)いや~!豪快ですねっ、写真ではこんな感じですが肉眼で見ると凄いです。では、次の竪堀を見に行きます↓

西側から2条目の竪堀

主郭北側の切岸に施された連続竪堀、その2条目(中央)の上部となります。ここも下りはじめは緩やかですが、その後竪堀が急降下していきます!特にここ2条目の堀切は地面をえぐるように急降下していく様はまさに圧巻の一言!早速見てみましょう↓

 

写真ではこんな感じですが、先程と同様に肉眼で見るとその迫力に圧倒されます。とても良い状態で遺構が現存しています。この曲がった先が気になったので下ってみました↓

 

真っすぐではないですね。右に左にと、うねりながらかなり下側まで下っていきます。何処までも下っていきそうな勢いなので、ここでいったん戻り3条目の竪堀を見に行きます↓

西側から3条目の竪堀

こちらの竪堀も最初は緩やかですが、その後急降下していきます。何処まで下っていくのかちょっとだけ見に行ってみます↓

 

ある程度まで下ってみましたが、まだ続きそうなのでこのくらいにしておきます。次に北東の尾根筋を見に行きます↓

主郭北東の大堀切

主郭の北東に続く尾根筋には、敵の進入を阻む目的で5条の堀切が施されています。こちらは主郭から数えて1条目の大堀切で、ここも主郭の地形を活かした高低差のある大堀切となっています。どんどん見ていきましょう↓

主郭北東2条目堀切

見事な堀切が連続しています。ここも他の堀切同様、地形を活かした高低差のある堀切となっています。

主郭北東3条目堀切

ここから急に堀切のグレードがダウンします。それでもはっきりとその存在を確認する事ができます。次いってみましょう↓

主郭北東4条目堀切

この辺りまで来ると、堀切もかなり小さくなってきました。この先に5条目の堀切があるので見に行きます↓

主郭北東5条目堀切

ありました、こちらが北東の尾根筋にある最後の堀切となります。400年以上経過しているので、かなり劣化していますが、目視で確認できます。これで北東の尾根筋探索は終了。一旦主郭まで戻り、そこから南尾根を経由して南端の出城(展望台)を目指します。

戌山城・主郭

こちらが戌山城の主郭となります。広さは測定したわけではないですが、だいたい100㎡ぐらいでしょうか?そんなに広くありません。他に郭もそんなに無いので、大人数で籠るというタイプの山城ではない感じです。主郭に説明看板があったので見てみます↓

 

なるほど、金森長近がいたのはごく短い期間だったんですね。もう夕方、時間が無いので南尾根へと下りていきます↓

 

主郭南側1条目堀切

とにかく主郭直下の大堀切は全てこの様に、地形を最大限利用した「高低差のある堀切」となっており、訪れる者を圧倒する造りとなっています。日が暮れはじめているので、どんどん行きます↓

主郭南2条目堀切

ここ戌山城は草木が元気に生い茂っているので、写真を撮るのが難しい…。特に堀切はある程度の距離をとらないといけないので、草木が無い場所を選ばなければならず撮影に難儀する。

主郭南3条目堀切

ここまで来ると堀切もだいぶ落ち着いてきます。ぼぉ~としていると見逃しそうな感じです。

雲海撮影スポット

着きました!場所は鳥観図のとなります。南尾根の出丸部分にこちらの展望台があります。ここは越前大野城の雲海写真を撮影するスポットとしてもう有名ですよね。でもこの雲海撮影スポットよりも主郭を中心に展開する豪快な遺構のほうが、見る価値があると個人的には思います。これで戌山城の散策は終了、来た道を戻りながら遺構を再び堪能して下城しました。

 

戌山城ログ

時間:2時間8分とありますが、じっくり見るなら3時間は必要。

距離:2.3km、とありますが、山の傾斜度が凄いので少し疲れます。

標高・比高:標高は324m、比高は149m(みくら清水からの比高)。

注意事項:人がほとんど訪れない(この日誰とも会わなかった)ので、野生動物に遭遇する可能性あり、この日茂みの中に大型の野生生物がおり、大声や熊鈴でも逃げなかったのでこちらが速やかに撤退しました、行かれる方はご注意を…。

広域

こうして見ると、戌山城と大野城の位置関係がよく分かりますね。

 

戌山城

見所ポイント:主郭、雲海展望台各堀切群畝状竪堀群、切岸、等。

駐車場:みくら清水(道路脇に3~4台)。

総評:現在の福井県大野市に位置し、国境の地に築かれた犬山城織田信長が越前の朝倉氏を滅ぼした後に配下の金森長近が入城、その後すぐに大野城が完成すると犬山城はまもなく廃城。比高は約150m程あり、3つの細尾根に展開する高低差のある堀切群と畝状竪堀群は圧巻の一言で、訪れる者を魅了してやみません。こんな見ごたえある遺構が良好な状態で見る事ができ、また、大野城の雲海写真も撮影できるここ " 戌山城 " に週末あたり訪れてみてはいかがでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

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