みやじ の登城備忘録

2018.4月スタートの続日本100名城スタンプラリーをメインに活動をしています。お城の散策と同時に地元B級グルメも堪能します。


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本栖城再訪!溶岩石の石積みと連続堀切を堪能!

本栖城

所在地:〒401-0337 山梨県富士河口湖本栖

城地種類:山城

築城年代:不明

築城者:不明

歴代城主: 武田氏・渡辺氏

文化財史跡区分:不明

 

狼煙台裏大堀切

今回どうしても確認しておきたい事があったのと、あの見事な岩盤でできた連続堀切を堪能したかったので再訪しました。2022.11.12.登城。

 

本栖城概要:

旧上九一色中学校(廃校)のすぐ隣、青木ヶ原樹海の中にある鳥帽子岳の麓にこの本栖城(標高1056m)はあります。かつてこの本栖城付近には、甲斐の国と駿河の国とを結ぶ「中道往還」があり、国境を警備する上で非常に重要な地でした。天文,永禄年間(1532~1570)頃の武田氏関係の文書に「本栖在城」とみられ、武田氏の国境警備のために築かれたものと考えられています。天正10年(1582年)武田氏が滅亡すると徳川氏に降った渡辺因獄祐が本栖城に籠もり、北条氏の侵入を防いでいます。

 

樹海内部から侵入

旧上九一色中学校の校門脇(35.468388, 138.607614)から入り、こんな感じの樹海内を進んで行きます。このまま突き当りまで進むと右手にボックスカルバートがあり、その近くに看板と登山道があります。

 

東尾根の4重堀切

九十九折の山道を登っていくと、尾根に出ます。その東西に細長い尾根を西に向かって行くとすぐにこちらの堀切があります。

 

 

堀切内に「竪堀」の標柱がありますが、この堀切の両サイドは竪堀になっていません。

なので竪堀ではなく、堀切になります。

 

 

こちらが3条目の堀切となります。少し分かりにくいですね、堀切を越えて向こう側(西側)から見てみましょう↓

 

 

このアングルから見ると、ここ本栖城の東尾根が、如何に細尾根で岩盤系なのかがよくわかります。

 

 

こちらが4条目の堀切となります。かなりごつい感じの岩盤堀切となっていて、東尾根を守る最終ラインの堀切として鎮座しています。早速下に下りて、サイドから見てみます↓

 

 

良い堀切ですねぇ~!何が凄いって、堀切西側の上部に補強のための石積みが施されているところです。数百年経過しても、しっかりとこういった部分を見ることができる事が素晴らしい。

 

4条目堀切を西側から

良いですね!東尾根を守る、まさに最終ラインの防御線。その堀切に相応しい堂々たる姿、形状を成しています。ここから西側には尾根上に曲輪が連なっています、早速行ってみます↓

 

主郭東側・4郭の石積み

主郭はもちろんの事、2郭4郭5郭と外周を石積みで補強してあります。使用されている石材は、麓に無尽蔵にある溶岩石が使用されています。この郭の西側がすぐ主郭となっています、早速行ってみます↓

 

こちらが主郭と4郭の間にある石積みとなります。主郭の城塁が一段高くなっており、その土留め(補強)の為の石積みと思われます。

 

主郭南側の竪堀

写真ではちょっと分かりにくいですが、主郭の南側斜面に竪堀を確認できました。これで主郭まで上がり、主郭の周囲に積まれている石積みを見に行きます↓

 

主郭南側の石積み

こちらが主郭に積まれている、溶岩石を使用した石積となります。他の曲輪の石積とは異なり、しっかりと重厚に積まれています。少し離れたところにも見事な石積みがあるので見てみます↓

 

この辺りの石積みは二段にして高さを出しています。主郭周辺は地面がもろいので、この様にしっかりと石積みが施されています。

 

主郭南西の石積み

主郭の南西部にも、このように石積みが積まれていました。

 

 

こんな感じで、主郭はかなり丁寧に土留めの石積みが施されていました。

 

 

 

これで主郭の石積み見学は終了、西へと進みます↓

 

2郭南側の石積み

主郭の西側にある2郭にも、周囲を囲む石積みがあります。こちらの2郭西端に狼煙台と呼ばれる土壇があるので見に行きます↓

伝・狼煙台跡

国境を通過する街道(中道往還)を監視する城であると同時に、狼煙のネットワークとしても機能していた可能性が高いここ本栖城。この土壇状の場所が狼煙を上げていた場所なのだろうか?この狼煙台の後ろ(南西)に岩盤大堀切があるので、見に行きます↓

 

狼煙台裏大堀切

南東側から見た大堀切となります。素晴らしい岩盤堀切です!個人的に、ここ本栖城の最大の見所ポイントだと思っています。あまりにも素晴らしいので色々な角度から見てみます↓

 

 

こちらは北西側から見た大堀切となります。こちら側から見る堀切もまた一興。ここでこちらの岩盤大堀切を動画に収めてみました↓

 

岩盤大堀切・動画


www.youtube.com

 

 

ここで西尾根に進むため、岩盤の上に登り南西側から堀切内部を見てみました。怖っ!こちら側(南西)はほぼ垂直なので、恐怖すら感じます。

 

西尾根へ

西尾根は、先ほどの狼煙台裏大堀切を含めて3つの連続した堀切で構成されています。なので、この細尾根を少し進み2つ目の堀切を見に行きます↓

 

 

こちらが3連続する堀切の真ん中にある堀切となります。3重堀切と言いたいところですが、堀切間の間がそこそこ離れているので、言葉の表記に悩んでしまいます…。

 

 

先ほどの堀切を西側から撮影したのがこちら↑。西側の方が高くなっていますね、ここから更に西進し、最後の堀切を見に行きます↓

 

西尾根3条目の堀切

こちらが西尾根にある最後の堀切となります。虎ロープが張ってあるので、堀切へ下るのも楽で助かります。

 

 

先ほどの堀切を南側から見たのがこちら↑。この辺りの堀切は、さほど鋭さや険しさがありませんね。以上で本栖城の堀切群は終了ですが、もう少し西尾根を進んでみる事にしました。

 

西端の堀切以降の西尾根

最後の堀切から更に西尾根を進んで行きます。基本、岩盤系の細尾根でこのような感じの尾根筋となっています。

 

 

そこそこ進んでみましたが、堀切のようなものは存在しなかったので、ここで引き返して下城しました。尚、今回は諸事情により下記の場所(旧中道往還と旧中道往還の石積と信玄築石は行きませんでした)

 

かつて、徳川家康武田信玄も通ったであろう、旧中道往還。

 

 

溶岩の石積みで造られている、旧中道往還の側壁。

 

 

こちらが信玄築石と呼ばれている石積。時間に余裕がある方はこれらの遺構も見学していくといいかもしれません。

 

本栖城ログ

時間:2時間11分。細部まで見学したので、2時間以上かかりました。

距離:3.5km、シンプルな縄張りですが、意外にも距離がありました。

標高・比高:標高は1056m、比高は127m(麓からの比高)。

 

広域ログ

このログを見て思った事がある。それは、標高1257mの「鳥帽子岳」まで登ってみたい!その山頂から本栖湖や富士山を見て見たい!。そう思ったのだが、基本山登りはあまり好きではないので、またの機会にする事にしました。以上で本栖城の再訪は終了、家路につきました。

本栖城

見所ポイント:連続する岩盤堀切群溶岩石の石積み石塁信玄築石旧中道往還

駐車場: 旧上九一色中学校前に数台。

総評: 標高1056mの鳥帽子岳に構築され、中道往還を監視する役目を担った本栖城。連続する岩盤堀切や溶岩石を使用した石積み等、とても見所がある山城で再訪した甲斐がありました。また、旧中道往還や信玄築石等、まさにここ中道往還がいかに重要な " 街道 " であったのかを物語っている遺構の数々を見る事ができ、ここに訪れる価値があると強く思いました。こんな見所満載な山城、本栖城に週末辺りに訪れ、往時に想いを馳せてみてはいかがでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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