国峰城
別名: 無し。
所在地: 〒370 - 2205 群馬県甘楽郡甘楽町国峰1063(御殿平)。
城地種類: 山城。
築城年代: 不明。
築城者: 小幡氏?。
主な関連施設:無し。
文化財史跡区分: 町指定史跡。
主郭西側の大堀切
国峰城概要:
標高432m、比高(駐車場所からの比高)178mに築かれた山城。関東管領 山内上杉氏の重臣小幡氏の居城で、武田家に従ったのち織田家、北条家と従属先を変えていきますが、1590年(天正18年)の小田原成敗で前田利家率いる北陸軍により攻められ落城、その後ほどなくして廃城となりました。
国峰城鳥瞰図
出典元:「余湖君のホームページ」http://yogokun.my.coocan.jp/
こちらの「余湖君」さんが作図された鳥観図はとても見やすいですね。
毎度、使用させていただき有難うございます。
以下、こちらの鳥観図を元にレポートしていきます。
城山入口・駐車場
この標識を左折して進んで行くと御殿平に着きますが、ここから先はジムニーなどの小型四駆車でないときついので、この手前にある屋根付きガレージ付近のスペースに駐車して向かいましょう。
地主さん(向かいの家)いわく、「城山見学者はそこに車を停めていいから!」
と言ってくれました。
更に「遠慮しないで、そのガレージの中も停めていいから!」とまで言ってくれましたが、さすがに他人の家のガレージに停めるのは気が引けたので遠慮しました。
御殿平
小型四輪駆動車ならここまで車で来られますが、二輪駆動の普通車はやめておいたほうがいいです。(林道が狭くてぬかるんでいるため)
場所は鳥観図の①となります。
先程の御殿平から南西の尾根筋を目指して進んで行くと、こちらの切通し(堀切)に着きます。
ここから南側の尾根にそって堀切が数条あるので見に行きます↓
南尾根・堀切群
先程の切通し(堀切)から数えて2条目の堀切となりますが、ほぼ埋まっています。
こちらが3条目の堀切ですが、先程の物よりも堀切としての形状が良く残っています。
この4条目の堀切は若干、岩盤が含まれているので堀切の形状が良く残っています。
ここ国峰城は尾根が主体の山城なので、このように多くの堀切を見ることができます。
竪堀
場所は鳥観図の②となります。
こちらの竪堀は、下の御殿平からここまで一直線に続いています、現在でもはっきりとその形状を見ることができます。
竪堀を少し下ってみたところです、このように真っすぐ下まで下っています。
3の郭・切岸
竪堀から少し登ると3の郭に着きますが、その切岸が実に見事だったので一枚。
ちょっとこの写真では分かりにくいですが、高さと角度が凄いです。
3の郭北側の景色
開けている場所はここ位でしょうか?あとは木々が生い茂っており、眺望はよくありません。
こちらが3の郭となります。
狭いですね、郭というより広い尾根といった感じです。
郭3と郭2の間にある堀切
残念ではありますが、かなり劣化して埋まりかけています。
国峰城・主郭
登山アプリだとここの標高は432mとなっています。
駐車場所からの比高は178mなので、麓からだと200mは超えるとおもいます。
主郭北側の堀切
主郭の北側に郭が2つほどあります、その郭群と主郭とを隔てる堀切となります。
せっかくなので、下りて横からみてみましょう↓
写真左側が主郭側となります、主郭側の切岸はさすがですね。
この堀切の先を見に行きます↓
2つ程の小さな郭の先は、そのまま細尾根となっていました。
主郭西側・大堀切
場所は鳥観図の③となります。
主郭から西側にある大堀切を上から見たのがこちら↑。
うわぁ~!ほぼ崖ですよ、ここを下りるの?
下りました↓
見た目ほど傾斜度は無かったので、普通に下りることができました。
岩盤系ですね、ゴツゴツしていて迫力があります。
せっかくなので、横からも見てみます↓
いいですねぇ~!堀切を横から見ると興奮しますね。(完全に病気です…)
4の郭東側・堀切
こちらの西側尾根には、ざっと見ただけでも4条ほどの堀切があり、西側尾根の防御施設として重要な役割を果たしていたと思われます。
こちらが鳥観図の、4の郭となります↑
狭いですね、郭というよりちょっと広い尾根といった感じです。
4の郭・西側堀切
土橋状の物がありますね、これは遺構でしょうか?
資料が無いので、分かりません。
5の郭・景色
この国峰城において、一番開けていた場所がこちらの郭5の北側でした。
本来なら、この国峰城のどの郭からでも周辺は良く見渡せたはずです。
国峰城・ログ
距離が2.4kmなので、なかなかの距離ですね。
やはり主郭が一番標高が高く、432mありました。(数字はアプリ参照)
国峰城の立地も見てみましょう↓
なるほど、山の麓から登れば比高200mは超えてくる感じですね。
昼食
「道の駅甘楽」で食べた、上州牛焼肉定食です↑
上野・国峰城
見所ポイント:堀切群、竪堀、切岸、尾根上にある郭群、その他。
駐車場:城入口の看板手前に3台程度。
総評:主郭を中心に東西に展開する尾根と郭群、それらの各郭を隔てる堀切などはとても見応えがあります。また竪堀も多用されており、それほど大きな山城ではないですがとても良く造られている印象を受けました。御殿平などの居館部と山頂の詰城がセットで楽しめるここ国峰城は、戦国期における居館と詰城の関係や構造をうかがい知る事ができる貴重な山城となっています。こんな見応えある山城、国峰城に週末あたりおとずれてはいかがでしょうか。