遠江・舟ヶ谷城
別名: 新野新城、新野城。
城地種類: 山城。
築城年代:不明 。
築城者: 新野氏。
主な関連施設:無し。
文化財史跡区分: 無し。
4号堀切
静岡県御前崎市に、「八幡平城・舟ヶ谷城」という、堀切が素晴らしい山城があると聞き、行ってきました。
2022.1.10登城。
舟ヶ谷城概要:
新野川の東に位置し、南北に細長く尾根上に防御施設が施された山城で、新野左馬助の居城でした。尾根上に幾つもの堀切が設けられ、見所ポイントとなっていますが、本郭は採土のために消失してしまっています。
舟ヶ谷城登城口
この道を登って行くと、どん詰まりに城址看板と駐車場があるのですが、この入口が狭すぎて軽自動車でないと入れません。しかも途中、すれ違いもできないので近くの神社(34.677512,138.117410)に駐車し、徒歩で登れば何の心配もなく登城できます。
ここがどん詰まりの駐車場で、この右手に登城路があります。因みに先程の篠ヶ谷登城口の緯度経度がこちら(34.677786,138.120726)。説明看板があったので見てみましょう↓
舟ヶ谷城説明看板
元々今川系だった山城を、武田が改修したという事でしょうか。この後の散策がとても楽しみです。
舟ヶ谷城縄張図
以下、説明看板にあったこちらの縄張図を参考に、レポートしていきたいと思います。
先程の説明看板があった所から、尾根を登っていきます。
1号堀切
登りはじめて最初に現れる遺構がこちらの堀切です。細尾根の尾根筋を断ち切るしっかりとした造りの堀切で、看板もあります。
2号堀切
1号堀切から北へ細尾根を暫く登って行くと、こちらの2号堀切が現れます。ここも堀切のど真ん中に立て札が立てられています。
2号堀切を北側から見たのがこちら↑。いいですねぇ~!細尾根を断ち切るこの構図を見ると興奮します!
3号堀切
先程の2号堀切の北に位置する2の曲輪、その西側の尾根を断ち切るのがこちらの3号堀切となります。岩盤ではなく、柔らかめの土なのでだいぶ劣化して埋まってしまっています。
反対側の西側からも見てみました、ここも堀切のど真ん中に立て札があります。
4号堀切
2の曲輪と本曲輪とを隔てる堀切となります、現在では採土のために本曲輪は削られて消失してしまっています。
4号堀切を西側から
とても見事な堀切だったので、横からもみてみました。素晴らしいですね、2の曲輪と本曲輪とを隔てる重要な堀切なので、造りもしっかりとしたものになっています。
本曲輪のあった場所
この細尾根のような場所、実はこの右側は本曲輪のあった場所で、現在ではこのようにごっそりと無くなっており、本曲輪の城塁はまるで細尾根のようになっています……。
1号横堀
4号堀切の北東に位置する、本曲輪の切岸下に展開する横堀ですが、現在ではご覧の通り、完全に埋まってしまっていて判別不能となっています。
先程の横堀跡を、城塁に沿って北へと移動していきます。
5号堀切
ここも堀切内に立て札があります、ど真ん中でないのがせめてもの救いか。このすぐ東側に6号堀切と7号堀切があるので、早速見に行きます。
6号堀切
6号堀切を曲輪の上から見たのがこちら↑。しっかりと尾根切りされていて見応えがあります。
6号堀切を横から見たのがこちら↑。ここも堀切のど真ん中に立て札が立っています。
この6号堀切の北東に、7号堀切があるので早速見てみます↓
7号堀切
6号堀切と比べると、やや劣化している事実を否めません。
北曲輪
先程の7号堀切の先(北東)にこちらの北曲輪があります、本曲輪に次ぐ大きさを誇る曲輪で、ここ舟ヶ谷城においてかなり重要な曲輪であった事がうかがえます。
通行不能
2022年1月10日現在、有ヶ谷登城口は登山道崩落のため通行できません。
通行止め
崩落した遊歩道の復興については ” 白紙 ” の状態で、気長に待つしか無いようです。
北曲輪・眺望
ここ舟ヶ谷城において、唯一開けている場所がこちら↑。ここ以外は生い茂った木々しかみえません。
舟ヶ谷城ログ
時間:1時間14分、尾根上の移動がメインだったのでこんなものでしょうか。
距離:2.2km、尾根上の移動がメインの割に距離はありました、南北に長いんですね。
標高・比高:標高は80m、登り始めた新野川からの比高は60mでした。
広域
城の西側は新野川が天然の濠として機能し、東側は森林地帯でこれまた攻め難く、南側と北側は湿地帯であった可能性があるように見えるので、なかなか攻めにくい良い立地にある山城であった様に感じました。
舟ヶ谷城
見所ポイント:1号堀切~7号堀切、北曲輪、横堀跡、本曲輪城塁、細尾根、等。
駐車場:案内看板の場所(1~2台)、城の南西にある神社駐車場(4~5台)。
総評:現在の静岡県御前崎市に位置する、この辺り一帯を治めるうえでとても重要な城であったであろう「八幡平城と舟ヶ谷城」。さすがにこの周辺の城と比べると造りがしっかりとしており、現在でも見応えのある山城となっています。細尾根がメインとなる縄張構成のため、堀切が主な防御施設となりますが、現在でもその容姿をよくとどめており、訪れた者を魅了します。こんな堀切が見事な山城、” 舟ヶ谷城 ” に週末あたり訪れてみてはいかがでしょうか。