みやじ の登城備忘録

2018.4月スタートの続日本100名城スタンプラリーをメインに活動をしています。お城の散策と同時に地元B級グルメも堪能します。


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遠江・高根城登城!武田軍の遠江侵攻の足掛かりとなった山城~

高根城

別名:久頭合城・久頭郷城・奥山城 。

所在地:〒431-4102 静岡県浜松市天竜区水窪町地頭方。

城地種類: 山城。

築城年代:1414年(応永21年)頃?。

築城者: 奥山氏。

主な関連施設浜松市水窪民俗資料館。

文化財史跡区分: 市指定史跡。

二重堀切

静岡県浜松市天竜区に、戦国期の山城の姿を復元した素晴らしい山城があるというので行ってきました。2022.6.4.登城。

高根城概要:

遠江の最北端に位置し、標高420m、比高約150mの三角山山頂に築かれた山城で、南信濃と北遠江を結ぶ信州街道(秋葉街道)を見下ろし、ここを警備・監視する目的で築城されたと考えられます。武田信玄遠江侵攻の際には武田軍本体の進軍ルートにもなるなど、武田家にとってはとても重要な場所であった可能性が高く、1570~1573年頃にかけて武田軍により改修されたと云われています。現在では発掘調査をもとに建物等が復元整備され、戦国期の山城の姿を見事なまでに表現しています。

 

高根城公園駐車場

Googleマップで「高根城公園駐車場」と検索すれば出てきます。トイレ付(冬季は閉鎖)で20台程度駐車できます。

 

登城路

駐車場から南へと進んでいくと山道に入り、こんな感じの道を15分程登れば城跡へと到着できます。

 

到着・眺望

遠江の北端に位置するので、とても山深い。車で来ましたが、かなりの時間を要します。

 

大手口

城の北側に位置する大手口となります。発掘調査の結果を元にして大手門などが復元されました。

 

 

大手門は1間半✖1間の薬医門で、礎石造りの構造でした。この大手門以外の門については発掘調査の結果、礎石造りではなく「掘立柱形式」で大手門よりもひと回り小さいサイズでした。

 

主郭内部

大手門を入ってすぐの景色です。右手に見えるのは土塀で狭間もありますが、こちらの土塀は模擬復元となります。写真左手に見えるのは倉庫で、発掘調査の結果礎石建物であった事がわかっています。

 

本曲輪・説明看板

なるほど、御主殿風の建物は管理棟だったんですね。(説明がなければわからなかった)

 

井楼櫓と模擬主殿

井楼櫓の右にある御主殿風の建物は模擬なんですね、今風に言うところの「モギー」ってやつですね。井楼櫓の説明看板があったので見てみます↓

 

 

どうでもいい事だが、パソコンで「せいろう」と入力し漢字変換しようとしても井楼が出てこない…。

 

本曲輪・二の曲輪間の堀切

本曲輪(右側)と二の曲輪(左側)間の堀切で幅は約10m、西側には竪堀があり、東側には「本曲輪南下の段の虎口」があります。この虎口の説明看板があったので見てみます↓

 

ここ高根城において一番重要とも言える防衛地点なので、とえも厳重な造りの防御施設となっています。

 

二の曲輪・立入禁止

二の曲輪へは現在立入る事ができません。梯子が腐食しているからでしょうか?(木製だと必ずこうなるんだよな…)

 

二の曲輪・三の曲輪間の堀切

堀幅は約11mで深さは約8m、堀底は箱堀であった事が発掘調査でわかっています。この堀切の説明看板があったので見てみます↓

 

 

角度45度で深さ8mですか!とても立派な堀切だったんですね。因みにこの写真左側(三の曲輪側)の堀切上部には土壇のような盛り上りがあり、それが櫓台の跡なのか?それとも橋の土台であったのか?現在でも分かっていないそうです。

 

三の曲輪内部

城の南側に位置するこちらの三の曲輪は、南北約20m、東西約5mの広さとなっています。因みにこちらの曲輪に設置されている「柵列」も モギー!訂正、模擬の柵列となります。写真正面から南端の二重堀切が見えるので見て見ましょう↓

 

二重堀切を三の曲輪から

いや~、凄い二重堀切ですね!ここ高根城において、一番の見所ポイントではないでしょうか。(埋め戻されてこれですからね)早速下に移動して二重堀切を横から見てみます↓

 

三の曲輪切岸と城内道

写真左側の犬走りみたいな幅の物は「城内道」で、三の曲輪から本曲輪まで土橋、梯子、木橋、門、等を経由しながらでないと本曲輪まで辿り着けない、複雑にしてとても厳重な造りとなっています。しかもこの城内道が、ほぼ完全な形で検出された事例は全国的にも稀で、戦国期の山城構造を知るうえでとても貴重な遺構となっています。

 

木製の階段を下りる

二重堀切を横から見るにはこちらの階段を下りて進んで行きます。こちらの階段は遺構を保護するためと、南側からの移動路を確保するために設置されたものとなります。(この階段は木製の為、現在は通行可能ですが腐食し始めているので、近い将来安全面から通行禁止になるのは避けられないと思います)

 

二重堀切・三の曲輪側

横から見るとこんな感じですが、発掘調査の結果土塁の高さが4m、この北側の堀切最深部が8mであったとされているので、現在のこの姿よりもはるかに凄い二重堀切である事が分かると思います。続けて南側の堀切も見てみます↓

 

 

土塁の高さが4mという事は、やはり埋め戻されているのでしょうか…。ここでもう少し南に進み、違う角度から二重堀切を見て見ます↓

 

 

この真ん中の土塁が迫力ありますね。因みに写真奥の三の曲輪付近ですが、堀切がU字型をしているのが見てとれます、武田氏の築城技術の特徴のひとつとも云われています。

 

二重堀切を南側上部から

こうして見ると凄いですね(往時はこれ以上)、見ただけで攻め手は「え~!こんな所行くのヤダなぁ~」と思うに違いないですよね。

 

二重堀切説明看板

400年以上も経つと、堆積物が凄い量になるんですね。これで二重堀切の散策は終了、ここから更に南へと行ってみました↓

 

分岐点

ここまで来ると道が二つに分かれていました。まずは南の城広場へ行ってみる事にしました。

 

「南の城公園」とあったので、南の離れた所に出曲輪でもあるのかなと思っていたのだが、ただの公園広場で遺構らしき物はありませんでした。

 

あったのはこれ↑ぐらいでしょうか…。ここですぐに引き返し、先程の分岐点から「

砦の森」を目指します↓

 

速攻で戻ってきました、ここから「砦の森」へと行ってみようと思います。(何か嫌な予感がするが…)

 

分岐点

ん、? 右へ行くと林道駐車場、左へ行くと自分が車を停めた駐車場、「砦」は何処にいった? そうです、砦の森とはただの名前で砦に関する遺構などまったく存在しないのです! ここから超速足で下山し、次の城へと向かいました。

 

 

御城印

御城印販売場所水窪町森林組合売店「みさくぼ路の里」。食事処・地場産品直売「国盗り」。

御城印のサイズ:通常サイズ。

御城印の値段¥:一枚300円。

 

高根城ログ

時間:1時間17分、余計な事をしなければ1時間未満か…。

距離:2.3km、南の城と砦の森をスルーすれば2㎞未満か…。

標高・比高:標高は420m、比高は城址専用駐車場から153mありました。

 

広域

長野県と静岡県の県境付近にあるとても山奥にある山城なのですが、以外にも駅近物件である事が見てとれます。調べたところ駅から徒歩で、大手門までだいたい25分~30分程度で行けるみたいです。

高根城

見所ポイント各曲輪二重堀切堀切城内道復元建物、虎口、土橋、等。

駐車場:高根城専用駐車場(約20台)。立山林道駐車場。

総評:現在の静岡県浜松市天竜区水窪町に位置し、南信濃と北遠江を結ぶ信州街道(秋葉街道)を見下ろせる陸上交通の要衝に築かれた山城。通称三角山の山頂を削平して曲輪を造り、鋭角な堀切(二重堀切等)や土塁、切岸、門や梯子、などを巧みに配置して厳重な防御構造とした築城技術はまさに秀逸の一言。現在においてもその状態の良い遺構を現存させているとともに、発掘調査に基づいて復元された建物の数々がとても見応えがあります。こんな見所多数の見事な山城、” 高根城 ” に週末あたり訪れてみてはいかがでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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