紀伊新宮城
別名:丹鶴城・沖見城。
所在地: 〒647 - 0081 和歌山県新宮市新宮7691-1
城地種類: 平山城
築城年代: 1601(慶長6年)
築城者: 浅野忠吉
主な関連施設:新宮市立歴史民俗資料館(スタンプ)新宮市観光協会(御城印)
文化財史跡区分: 国指定史跡
水ノ手曲輪・舟入の石垣
2017年4月6日の「城の日」に財団法人日本城郭協会が続日本100名城を発表し
ました、和歌山県からは " 新宮城 " が選ばれました。
スタンプを押したうえで登城数をカウントしたいと思います。
今回の 新宮城をもって続日本100名城、登城33城目とします。
2021.5.2登城。
新宮城概要:
1600年(慶長5年10月)浅野幸長が紀伊入国、浅野忠吉が新宮領主となりました。1601年(慶長6年)に忠吉は新宮城の築城を開始、その後1615年(元和元年)に一国一城令で廃城となりますが、1618年(元和4年)に幕府の許可が下り再び築城に着手。その後浅野氏は三原へ移封、代わりに水野氏が新宮に入り新宮城の築城工事を継続し1633年(寛永10年)に水野氏の新宮城が完成しました。新宮城は総石垣造りの近世城郭で丘陵東部に本丸と天守台があり、熊野灘沖を行き来する船を見ることができたことから、沖見城とも呼ばれていました。紀州藩付家老水野氏が代々城主を務め、明治維新に廃城となりました。
新宮城案内図
こちらの案内図を参考にして、新宮城をレポートしていきます。
其の弐では本丸南側(屏風折)~出丸~水ノ手曲輪~二の丸南とレポートして
いきます。
尚、前回(其の壱)の記事はこちら↓
本丸南側の高石垣
其の壱でも紹介したとおり、横矢掛の高石垣が素晴らしいですね。
時間が経つのを忘れ、見入ってしまいました。
隅石の迫力と、稜線の美しさが青空に映えますね。
権力・財力・技術力があっての高石垣ですね。
矢穴と刻印
ここ新宮城は総石垣造りの城なので、至る所に石垣や石積、転がっている石材
等があるので、この様な矢穴や刻印のある石を見る事ができます。
(この石は矢穴と刻印、両方ありますね!)
排水樋を下から
場所は案内図のCとなります。
和歌山城にも同じ物があったのを思い出します。
そのまま出丸方面へ進んで行きます↓
橋の跡
場所は案内図のDとなります。
発掘調査の結果、出丸と本丸は橋で繋がっていた事がわかったそうで、その
橋の架かっていた部分が今は石で埋められています。
出丸からの眺望
この出丸は隣接する熊野川と熊野灘をよく見渡せる位置にあるので、見張り
台の役目も担っていたのかもしれません。
とにかく風が気持ちよく、最高の景色なので新宮城へ来たらここ(出丸)へ
立ち寄り、心地よい風と景色をご堪能下さい。
出丸の西側に排水樋を見つけました。
矢穴?
本丸の西北西辺りの石垣に、こんな石がありました。
なぜに1つだけ?
次に熊野川沿いにある、水ノ手曲輪へと進みます↓
水ノ手曲輪
場所は案内図の⑦となります。
この辺りからは平成6年度の発掘調査で、多数の礎石建物群跡が発見されました。
建物跡の床面には、砂利が敷かれ炭の粉が堆積していたことから、1万俵もの
炭俵が収納可能な「炭納屋群」と想定されました。(説明版より引用)
城内消費用としては多すぎる数量であるため、熊野川流域の新宮炭(備長炭)
を専売していた新宮城主、水野氏の対外的な経済活動用の施設であると考え
られています。(説明版より引用)
舟入
新宮炭(備長炭)を沢山積だ船が、熊野川から海へ出て各方面へ出荷されて
行ったのか…。(感慨深いな…)
場所は案内図のEとなります。
熊野川に面した水ノ手は、幕府が諸藩に命じて提出させた「正保城絵図(紀
伊国新宮城之図)」にも描かれており、築城当初から新宮城の重要な施設と
して機能していたと考えられています。(説明版より引用)
「新宮領にとって、とても重要な収入源だっんだろうな。」
そう思わせる程に、しっかりと造られた舟入でした。
舟入からの熊野川
川の色がエメラルドグリーンですよっ!
なんと美しい景色でしょうか!
あまりに美しい舟入の石垣に、すっかり魅了されてしまいました。
「あ~、また来たいな~」と、思わせる水ノ手曲輪の舟入でした。
ここで、矢穴や刻印を探すために鐘ノ丸(二ノ丸)の南側に移動します↓
鐘ノ丸南側
場所は案内図のF~Gの間となります。
ここ新宮城の石垣は、人目につく場所の石垣の石は化粧が施され、矢穴や刻印
はそれ程見かける事がありません。
でも、あまり人が通らない場所や人が立ち入らない場所については、矢穴や
刻印を多数確認する事ができました。
ここ新宮城には、〇・△・✝ などの刻印が城内に69カ所あるとの事。
その「刻印マップ」なるものがあれば(マニア向け)嬉しかったなぁ~。
下城
これで新宮城の散策は終了、下城しました。
スタンプ押印
スタンプ設置場所:新宮市立歴史民俗資料館:33.72788 ,135.99737
スタンプの状態: " 良 " 屋内管理なので状態は良い。
スタンプの印影:石垣造りの枡形虎口。
ご当地グルメ
さんま姿寿司:
さんまを用いた押し寿司で、三重県の志摩半島から和歌山県に至る熊野灘沿岸一帯で食べられる。主に祝い事や祭りなどの際に作られる郷土料理。(Wikipediaより引用)
和歌山県と三重県にまたがる熊野地方を中心とした吉野地方の郷土料理。高菜の浅漬けの葉でくるんだ弁当用のおにぎり。弁当は熊野名産とされ、新宮市のものは特に有名であり、和歌山県の特産品として和歌山県推薦優良土産品に指定されている。
(Wikipediaより引用)
御城印
御城印のサイズ:通常サイズ。(日付は入りません)
御城印の値段¥:一枚300円。
紀伊新宮城
見所ポイント:本丸、鐘ノ丸、松ノ丸、出丸、水ノ手曲輪、屏風折れの石垣、排水樋。
駐車場:① 丹鶴公園駐車場(無料)緯度経度:33.729593,135.992279
② 観光専用駐車場(無料)緯度経度:33.729693,135.990275
総評:ここ新宮城は紀伊半島の南東に位置し、熊野川の河口付近の山上に築城された総石垣造りの近世城郭となります。個人的に見所だと感じたポイントは主に3つ、①化粧が施された切込み接ぎの高石垣、②新宮炭(備長炭)の専売を物語る炭納屋跡と舟入の石垣群。③本丸や出丸からの眺望、特に出丸からの景色は最高です。もちろんこの3つ以外にも矢穴や刻印、排水樋など見所は沢山あり、ご当地グルメの「さんま姿寿司」も美味でした。こんな見所満載、景色も最高の新宮城へ週末あたり訪れてはいかがでしょうか。(もう一度訪れたい、心の底からそう思わせてくれる新宮城と城下町でした)