みやじ の登城備忘録

2018.4月スタートの続日本100名城スタンプラリーをメインに活動をしています。お城の散策と同時に地元B級グルメも堪能します。


お城巡りランキングクリックしてね!

若狭・小浜城登城!完成まで45年もの歳月を費やした海城~

小浜城

別名: 雲浜城。

所在地:〒917-0095 福井県小浜市城内1丁目7番55号 。

城地種類: 平城。

築城年代:1601年(慶長6年)。

築城者: 京極氏・酒井氏。

主な関連施設:小浜神社(本丸内)。

文化財史跡区分: 県指定史跡。

天守台北東部の石垣

福井県小浜市に、「小浜城」という、高石垣が素晴らしい平城があると聞き、行ってきました。

2022.5.2.登城。

小浜城概要:

場所は現在の福井県小浜市に位置し、小浜湾に流れ込む2本の川に挟まれた " 雲浜 " (うんぴん)と呼ばれる三角州に築城されました。1600年(慶長5年)関ヶ原合戦で大津城に籠城し、西軍の攻撃を防いで関ヶ原への進軍を足止めした功績により、若狭国を領有した京極高次が1601年(慶長6年)に築城を開始。その後、酒井忠勝が後瀬山城に入り小浜城の工事を継続、1645年(正保2年)についに小浜城が完成しました。

簡素な説明看板

小浜城は明治維新後、火災により多くの建物を焼失してしまいました。火災の後、二の丸、三の丸、北の丸、西の丸の濠も埋め立てられてしまい、現在では天守台と本丸石垣が現存するのみとなっています。

 

算木積と矢穴石

築城が1601年~1645年とあるので、江戸時代初期頃の切出し技術と石積み技術を堪能する事ができます。

 

 

ここ小浜城の石垣は " 打込み接ぎ " で積まれており、隅石の部分は " 算木積み " となっています。

 

 

このサイコロみたいな石、いい味出してます!(ここ小浜城の石垣には、矢穴の跡がある石材が多数使用されているので、好きな人にはたまりません。)

 

天守台北東部の石垣

ここ小浜城の石垣で、個人的に一番気に入った構図がこちら↑。隅石の下部にある矢穴の跡で「そこで割らなかったんかいっ!」とツッコミたくなる隅石です。(恐らく何らかの事情があってこうなったんだと思いますが、その理由が知りたい。)

 

 

先程の場所から少し移動して撮った写真がこちら↑。算木積みの隅石がとても力強く、ごつい感じで良いですね。

 

 

天守台の北側には内堀(現在は埋め立てられています)に沿って石垣が続いていて現在でもその姿を見ることができます。

埋門から南を見る

元々河川の中州だった軟弱地盤に、このような高石垣を造るのだから恐らく築城工事は相当難航したのではないかと思われます。(実際に築城開始から45年もかかっている)

どうやら石垣沿いに移動して見学できるみたいなので、このまま本丸の西側へと進んでいきます。

 

本丸西側・石垣正面

写真左上部分とそれ以外の部分とで、石材の色と大きさが明らかに違います。ここでいよいよ天守台の高石垣を見るために少し南へと移動します↓

 

天守台北西・隅石

見事な高石垣ですね、隅石部分の算木積みも良い造りになっていて素晴らしい。少しだけ移動して違う角度から隅石を見てみます。

 

 

いや~!良い仕事してますねぇ~」思わず声が出る。天守台の高さが約11mとの事なので、とても立派な天守台である事がうかがえます。

 

 

余りにも見事なので、下から「へばり付き」で一枚撮ってみました。

 

天守台西側

隅石部分とは違い、この辺りの石材は小さく不揃いなので、高く(11m)積むのはとても難しいのではないかと思いました。

 

天守台南西・隅石

それにしても隅石の「ごつい」感じがたまりません!時間が許すならいつまでも見ていたい……。

 

 

往時、この高石垣の上には、三重三階層塔型天守(18m)が建っていたとされています。と、いう事は高石垣の高さ(11m)と天守の高さを合わせると実に29mもの高さになります。その天守からの眺めはどれだけ素晴らしかったことか…。

 

天守台東南・隅石

気のせいかここの隅石部分はやや不格好な感じが……。き、気のせいだな、きっと…。

 

 

 

隅石の矢穴が良い感じです。「男の顔についた傷が勲章なら、石垣の石にある矢穴跡も勲章である」と、ある男(石垣の隅石にへばり付いてた奴)が言っていたとかいないとか?

 

 

ハート型とはいえませんが、それっぽい雰囲気は醸し出しています。

 

天守台東側

隅石が良い味出してます。因みにこの天守台に使用されている隅石は、蘇洞門から舟で運ばれてきたらしい。

 

 

途中で止めたんですね…。

 

天守台入口

天守台へは普通に入る事ができるので、こちらの階段を登っていきます。

 

 

天守台から北側を見た写真で、このような幅のある石垣が北側まで続いていきます。この天守台に説明看板があったので見てみます↓

 

ちゃんとあるではないですかっ!しっかりとした説明看板が…。

 

天守台南西からの景色

天守台(11m)からの景色となります、これが三重三階層塔型の天守(18m)最上階から見たら、さぞかし良い眺望であったであろうと想像に難くない。

 

天守台上部

小浜城の天守指図には、三重天守の他に五重天守の指図もあったと云われています。と、いう事はこの天守台は五重の天守を乗せるだけの強度をもった設計で造られているという事になりますが、果たして……。

小浜城

見所ポイント:本丸、石垣天守台高石垣、小浜神社、等。

駐車場:小浜神社と併用の駐車場(2台)。

総評:往時は本丸を中心に二の丸、三の丸、北の丸、西の丸が囲む形の輪郭式平城で、本丸は内堀で囲まれていました。現在では本丸以外の部分はほぼ埋め立てられてしまっておりその姿を見る事はできませんが、本丸の石垣と天守台高石垣は現存しているので見応えがあります。河川の中州という、軟弱地盤に造られ築城に45年もの歳月を費やした、まさに「血と汗と涙の結晶」ともいうべきここ小浜城に、週末辺り訪れてはいかがでしょうか。

 

 

 

記事が気に入った方はクリックして下さい。
お城巡りランキング