みやじ の登城備忘録

2018.4月スタートの続日本100名城スタンプラリーをメインに活動をしています。お城の散策と同時に地元B級グルメも堪能します。


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遠江・八幡平城登城!新野氏の詰城、武田氏の改修~

遠江・八幡平城

別名: 新野古城。

所在地:〒437-1611 静岡県御前崎市新野。

城地種類: 山城。

築城年代:不明 。

築城者: 新野氏。

主な関連施設:無し。

文化財史跡区分: 不明。

北東の二重堀切

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静岡県御前崎市に、「舟ヶ谷城・八幡平城」という、堀切が素晴らしい山城があると聞き、行ってきました。

2022.1.22登城。

八幡平城概要:

この場所の南西に、新野氏が築いた舟ヶ谷城があります。その詰城であった八幡平城を戦国時代に、武田氏が高天神城への軍道のおさえとして改修したと云われています。現在では尾根筋を断ち切る多数の二重堀切や、横堀等、状態の良い遺構を見る事ができます。

八幡平城・縄張図

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城の案内看板にあったこちら↑の案内図を元にレポートしていきたいと思います。

 

駐車場

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想慈院の駐車場に八幡平城の説明看板がありました、こちらに停めさせていただき大手登城口へと向かいます。

 

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舗装されている道を進むと茶畑へと行ってしまうので、右手の土手を進みます。

 

馬出跡?

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大手道を登って行き、横堀状の道を南西に進んで行くと馬出の看板がありました。「馬出?」と思い、上(一の曲輪)を見上げると土砂崩れの跡が……。崩れた土砂がここに堆積して……。馬出は見なかった事にして先に進みます。

 

南端の二重堀切

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場所は案内図の①となります。この部分の二重堀切は土が柔らかめの為か、多少劣化していますが、はっきりと二重堀切の姿を確認する事ができます。ここから北へと登り、一の曲輪を目指します↓

 

八幡平の切岸と横堀

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一の曲輪南の切岸と横堀となります、現在では横堀というよりかは通路のような感じになっています。このまま道なり(横堀)に進んでみます↓

 

 

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一の曲輪東側の切岸はこんな感じです。

 

一の曲輪(八幡平)

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ここ八幡平城は南西にある一の曲輪と、北東にある二の曲輪を堀切等で守る山城となっています。ここで西側にある2つ目の二重堀切を見に行きます↓

 

一の曲輪西側の堀切

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場所は縄張図の9と書かれている堀切となります。いいですねぇ~、いい味でてます、あ~来て良かった~。縄張図ではこの先が書かれていませんが、この時堀切の向こう側に凹みがあるのを発見!早速見にいきました↓

 

一の曲輪西側の二重堀切

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あるではないですかっ!先程の堀切の先に二重堀切がありました。その1条目の堀切がこちら↑、小さいですがちゃんと堀切してます。2条目の堀切も見てみます↓

 

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多少劣化していますが、はっきりと堀切である事が分かります。ここで一の曲輪へと戻るのですが、その途中で北側にあるものを見つけてしまいます。それがこちら↓

 

二重堀切の北にある二重堀切

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場所は縄張図の③となります。一の曲輪へと戻る途中でふと視界に " 凹み " が目に入った、「ん、?」と思い見に行くと、こちらの二重堀切がありました。ただ、木々に覆われていて上手く写真に納まらない、横から撮ろうかと思いましたがダメでした。ここで一の曲輪の散策は終了、二の曲輪方面へと進みます↓

 

一の曲輪北東の大堀切

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一の曲輪(八幡平)と、二の曲輪との間にある細長い曲輪、その細長い曲輪と一の曲輪とを隔てる堀切となります。せっかくなので移動ついでに横からも見てみます↓

 

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防御の面からみても、とても重要な場所と思われるのでしっかりとした造りの大堀切となっています。この細長い曲輪の先(北)に二の曲輪があるのですが、その間にある二重堀切を見に行きます↓

 

二の曲輪南側の二重堀切

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場所は縄張図の④となります。ここ八幡平城で4つ目の二重堀切となります、改修者はよほど二重堀切が好きだったらしい。この写真ではわかりにくいので、横の見学通路から見てみます↓

 

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これはわかり易いですね。土なので劣化していますが、二重堀切をはっきりと認識する事ができます。この堀切を二の曲輪からも見てみましょう↓

 

 

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なんかラクダのコブみたい…。

 

二の曲輪

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こちらが二の曲輪です、一の曲輪の次に大きな曲輪となります。この曲輪の西側に大堀切があるので見に行きます↓

 

二の曲輪西の大堀切

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肉眼でははっきりと確認できるのですが、写真ではご覧の通り何だかよくわかりません。仕方がないので、藪をかき分け(藪漕ぎという程ではない)堀切を横から撮影する事に…。

 

 

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こんなん出ました!二の曲輪側が写真右側で高さがあります。堀切の斜面が緩そうにみえますが、実際に上り下りしてみると、これがなかなか侮れない斜面である事がわかります。ここで二の曲輪北東にある5つ目の二重堀切を見に行きます↓

 

二の曲輪北東・二重堀切

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場所は縄張図の⑤となります。二の曲輪北東にある見事な二重堀切がこちら↑ ここの堀切は高さ(深さ)がなかなか良い感じなので、見応えがあります。早速、横からも見てみます↓

 

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良いですねぇ~、写真ではなく肉眼で見てもらいたい二重堀切です。せっかくなのでもっと堀切に接近して見てみましょう↓

 

 

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おおっ~、良いですねぇ~。

 

 

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こちらも浅いながらも、いい味出してますねぇ~。以上で八幡平城の散策は終了、このまま搦手登城口へと下りていきます。

 

下城

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想慈院の墓地裏に出ました、こちらからも登る事ができます。

 

八幡平城ログ

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時間:1時間12分、舟ヶ谷城とほぼ同じ時間かかりました。

距離:1.5km、詰城なのでこんなものでしょうか。

標高・比高:標高は94m、登り始めた想慈院からの比高は48mでした。

広域

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居城と詰城の関係なので、ご覧の通り歩いて行ける距離にあります。にもかかわらず、山梨県人の自分はしっかりと車で移動しました。(人にもよりますが、山梨は車文化なので、100m先のコンビニもちゃんと車で行きます)

八幡平城

見所ポイント:一の曲輪、二の曲輪、大堀切5つある二重堀切2段の横堀、等。

駐車場:想慈院の看板前(数台)もしくは舟ヶ谷城から徒歩。

総評:現在の静岡県御前崎市に位置する、この辺り一帯を治めるうえでとても重要な城であったであろう「舟ヶ谷城と八幡平城」。舟ヶ谷城の詰城としては、造りがしっかりとしており、現在でも見応えのある山城となっています。一の曲輪と二の曲輪を主体とし、全方向の尾根筋を堀切(大堀切や二重堀切)で遮断、また曲輪の側面に横堀(一の曲輪東南側は2段構えの横堀)を施す等、見事な遺構が現在でもその容姿をよくとどめており、訪れた者を魅了します。こんな二重堀切や横堀が遺る山城、” 八幡平城 ” に週末あたり訪れてみてはいかがでしょうか。

 



 

 

 

 

 

 

 

 

 

遠江・舟ヶ谷城登城!今川系・新野氏の居城、主郭を失った山城~

遠江・舟ヶ谷城

別名新野新城、新野城。

所在地:〒437-1611 静岡県御前崎市新野。

城地種類: 山城。

築城年代:不明 。

築城者: 新野氏。

主な関連施設:無し。

文化財史跡区分: 無し。

4号堀切

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静岡県御前崎市に、「八幡平城・舟ヶ谷城」という、堀切が素晴らしい山城があると聞き、行ってきました。

2022.1.10登城。

舟ヶ谷城概要:

新野川の東に位置し、南北に細長く尾根上に防御施設が施された山城で、新野左馬助の居城でした。尾根上に幾つもの堀切が設けられ、見所ポイントとなっていますが、本郭は採土のために消失してしまっています。

舟ヶ谷城登城口

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この道を登って行くと、どん詰まりに城址看板と駐車場があるのですが、この入口が狭すぎて軽自動車でないと入れません。しかも途中、すれ違いもできないので近くの神社(34.677512,138.117410)に駐車し、徒歩で登れば何の心配もなく登城できます。

 

 

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ここがどん詰まりの駐車場で、この右手に登城路があります。因みに先程の篠ヶ谷登城口の緯度経度がこちら(34.677786,138.120726)。説明看板があったので見てみましょう↓

舟ヶ谷城説明看板

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元々今川系だった山城を、武田が改修したという事でしょうか。この後の散策がとても楽しみです。

 

舟ヶ谷城縄張図

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以下、説明看板にあったこちらの縄張図を参考に、レポートしていきたいと思います。

 

 

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先程の説明看板があった所から、尾根を登っていきます。

 

1号堀切

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登りはじめて最初に現れる遺構がこちらの堀切です。細尾根の尾根筋を断ち切るしっかりとした造りの堀切で、看板もあります。

 

2号堀切

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1号堀切から北へ細尾根を暫く登って行くと、こちらの2号堀切が現れます。ここも堀切のど真ん中に立て札が立てられています。

 

 

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2号堀切を北側から見たのがこちら↑。いいですねぇ~!細尾根を断ち切るこの構図を見ると興奮します!

3号堀切

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先程の2号堀切の北に位置する2の曲輪、その西側の尾根を断ち切るのがこちらの3号堀切となります。岩盤ではなく、柔らかめの土なのでだいぶ劣化して埋まってしまっています。

 

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反対側の西側からも見てみました、ここも堀切のど真ん中に立て札があります。

 

4号堀切

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2の曲輪と本曲輪とを隔てる堀切となります、現在では採土のために本曲輪は削られて消失してしまっています。

 

4号堀切を西側から

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とても見事な堀切だったので、横からもみてみました。素晴らしいですね、2の曲輪と本曲輪とを隔てる重要な堀切なので、造りもしっかりとしたものになっています。

 

本曲輪のあった場所

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この細尾根のような場所、実はこの右側は本曲輪のあった場所で、現在ではこのようにごっそりと無くなっており、本曲輪の城塁はまるで細尾根のようになっています……。

 

1号横堀

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4号堀切の北東に位置する、本曲輪の切岸下に展開する横堀ですが、現在ではご覧の通り、完全に埋まってしまっていて判別不能となっています。

 

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先程の横堀跡を、城塁に沿って北へと移動していきます。

 

5号堀切

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ここも堀切内に立て札があります、ど真ん中でないのがせめてもの救いか。このすぐ東側に6号堀切と7号堀切があるので、早速見に行きます。

 

6号堀切

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6号堀切を曲輪の上から見たのがこちら↑。しっかりと尾根切りされていて見応えがあります。

 

 

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6号堀切を横から見たのがこちら↑。ここも堀切のど真ん中に立て札が立っています。

この6号堀切の北東に、7号堀切があるので早速見てみます↓

 

7号堀切

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6号堀切と比べると、やや劣化している事実を否めません。

北曲輪

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先程の7号堀切の先(北東)にこちらの北曲輪があります、本曲輪に次ぐ大きさを誇る曲輪で、ここ舟ヶ谷城においてかなり重要な曲輪であった事がうかがえます。

 

通行不能

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2022年1月10日現在、有ヶ谷登城口は登山道崩落のため通行できません。

 

 

通行止め

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崩落した遊歩道の復興については ” 白紙 ” の状態で、気長に待つしか無いようです。

 

 

北曲輪・眺望

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ここ舟ヶ谷城において、唯一開けている場所がこちら↑。ここ以外は生い茂った木々しかみえません。

 

舟ヶ谷城ログ

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時間:1時間14分、尾根上の移動がメインだったのでこんなものでしょうか。

距離:2.2km、尾根上の移動がメインの割に距離はありました、南北に長いんですね。

標高・比高:標高は80m、登り始めた新野川からの比高は60mでした。

 

広域

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城の西側は新野川が天然の濠として機能し、東側は森林地帯でこれまた攻め難く、南側と北側は湿地帯であった可能性があるように見えるので、なかなか攻めにくい良い立地にある山城であった様に感じました。

舟ヶ谷城

見所ポイント1号堀切~7号堀切北曲輪、横堀跡、本曲輪城塁、細尾根、等。

駐車場:案内看板の場所(1~2台)、城の南西にある神社駐車場(4~5台)。

総評:現在の静岡県御前崎市に位置する、この辺り一帯を治めるうえでとても重要な城であったであろう「八幡平城と舟ヶ谷城」。さすがにこの周辺の城と比べると造りがしっかりとしており、現在でも見応えのある山城となっています。細尾根がメインとなる縄張構成のため、堀切が主な防御施設となりますが、現在でもその容姿をよくとどめており、訪れた者を魅了します。こんな堀切が見事な山城、” 舟ヶ谷城 ” に週末あたり訪れてみてはいかがでしょうか。

 



 

 

 

 

 

 

 

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