みやじ の登城備忘録

2018.4月スタートの続日本100名城スタンプラリーをメインに活動をしています。お城の散策と同時に地元B級グルメも堪能します。


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伊豆・長浜城登城! 北条水軍の拠点となった城~ 其の一

伊豆 長浜城

所在地:〒410 - 0225  静岡県沼津市内浦重須

城地種類:山城

築城年代:不明  天正7年(1579)頃?

築城者:不明  大川氏?梶原氏?

文化財史跡区分:国指定史跡

伊豆・長浜城概要:

駿河湾奥部の内浦湾に面したこの城は、室町時代から北条氏に仕えていた大川氏が居城としていた。その後武田氏が狩野川沿いに三枚橋城(のちの沼津城と同地)を築城したため、水路を絶たれた北条氏が1579年(天正7年)頃、北条水軍の基地として改修したとされる。武田水軍との幾多の戦いの際の発進基地ともなっており、1580年(天正8年)には千本浜沖で、後に駿河湾海戦と呼ばれる大規模な海戦も起こっている。そして、1590年(天正18年)、豊臣水軍の侵攻の際は土侍が敗走、一戦も交えず陥落した。築城時期、終焉時期の明確な記録は不明である。と、Wikipediaに書いてあります。

伊豆の海城

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とても寒く風が強いのだが、天気が良いので静岡県沼津市内のお城を

巡る事にしました。

 

駐車場入り口

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長浜釣堀観光センターの一部が長浜城見学者用駐車場となって

いるので、見学目的ならここに停める事が出来ます。

 

石碑・看板

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ここ長浜城は国指定史跡なので、トイレや案内看板等、とても

充実していて子供や女性でも安心して見学する事ができます。

 

航空写真

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長浜城跡が位置する内浦湾は、西から延びる長井崎と、北東の淡島

によって風が遮られ、たとえ周りが強風であっても穏やかさを保ちます。

そのため船の係留に適しており、現在のヨットと同じように戦国時代の

軍船も城の周辺に停泊していたと考えられます。

と、パンフレットに書いてあります。

 

第四郭

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この長浜城は周囲が崖のような斜面になっているため、攻め上がる

ルートはおそらく三つ程度と思われます。

そのためその三つのルートさえ固めてしまえば、あら不思議!

要害堅固な城の出来上がりです。(あくまでも個人的憶測です)

 

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第四郭から見る淡島と駿河湾です。

 

 

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この階段を登り第三郭へと進みます。

 

第三郭

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しっかりと分かり易い説明で助かります。

 

 

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第二郭土塁と虎口、そして第三郭土塁からの側面攻撃で三方向から

攻撃するのですね、敵側からしたら恐ろしいですね。

 

第二郭

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なるほど、やはり重須側(陸側)からの攻撃を想定していたん

ですね。

 

第二郭の櫓

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この櫓は第二曲輪と第一曲輪を連結する登り口の役割を果たして

いたらしいです。

半地下式の構造をもつ2間四方9本柱の掘立柱建物で、岩盤を掘り

込んで造られました。

 

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海側へ見通しがきくことや岩盤をくり抜くという困難な作業を

同じ場所に繰り返し行って建て替えていることを鑑みると、この

建物はこの場所になくてはならない、とりわけ重要で象徴的な意味

を持つ建物であった事が考えられます。

 

第二郭掘立柱建物跡

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長浜城で最も広い郭がこの第二郭です、海側は視界が開けている

一方で、山側では、防御用の土塁や堀、建物跡など、戦闘のため

の工夫が至る所に施されています。

それでは説明看板を見てみましょう。

 

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兵舎や食料庫などに使用されていたと考えられています。

 

第二郭堀

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長さ8m、上部の幅3m、下部の幅2m、深さ1.6mの堀です。

この向こう側(斜面)に竪堀があり、そこを登ってきた敵を一旦

食い止めるための畝(堀残し)があります。

 

櫓から望む内浦湾

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櫓から見る湾内です、この櫓は観光用の展望台ではなく、調査

の結果から忠実に再現された櫓なのでおそらく往時もこのような

感じの景色だったと思われます。(軍船の湾内での動きが良く見れそうです)

 

北側の郭群を目指す

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第一郭から北東に延びる尾根上に階段状に築かれた郭群、これが

個人的にはとても気に入りました。

 

郭群説明看板

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なるほど、海側からの敵の攻撃を想定しているのですね。

 

 

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腰郭Aから見る郭B.C.D. 、そして郭Dから見る内浦湾の青い海、

個人的にとても気に入った場所でした。

 

腰郭Bから見る

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綺麗な海が見える城跡っていいですね。

このあと吸い込まれるように郭Dの先の海岸まで行ってしまいました。

 

停泊所

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長浜城最北端です、現在はこのようにボートが停泊していますが

きっと往時もこのような感じで軍船が停泊していたものと思われます。

 

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最北端の海岸から左側(西側)を見てみます、写真では分かり

にくいですが崖のような急斜面となっています。

 

スタンプは

ありません。

 

伊豆・長浜城

見所ポイント:第1~4郭、第2郭の櫓、堀、竪堀、腰郭A.B.C.D.山頂からの眺望、等

駐車場: 長浜釣堀観光センターの一部が長浜城見学者用Pとなっています(5~6台)

中間報告:内浦湾に突き出た半島を上手く利用し、竪堀や堀、各郭群を配置し、要害堅固な「 海城 」に完成させた北条氏の築城技術に関心させられる、とても見所のある城跡となっています。国指定史跡だけのことはあり、道も整備されていて、芝生も敷かれてきれいです。小さいお子さんや女性の方でも気軽に見学できるこの長浜城に週末あたり足を運んではいかがでしょうか。

其の二へ続く

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

勝沼氏館登城! 幅15m、巨大空堀をこの目に~ 2018.2.4

勝沼氏館

所在地: 〒409 - 1316 山梨県甲州市勝沼町勝沼

城地種類: 平城

築城年代:15世紀頃

築城者:勝沼

歴代城主: 勝沼信友・勝沼信元

文化財史跡区分:国指定史跡

勝沼氏館概要:

史跡勝沼氏館跡は、15~16世紀に営まれた有力武将の居館跡で、武田信虎の弟信友が勝沼衆を率いてこの地を拠点としていたと考えられます。信友は天文4年(1535)に相模の北条氏との戦いで敗死してしまいますが、その後も武田氏による甲斐国支配の重要な拠点として、今井氏などの重臣がこの地を治めていったと考えられています。

と、パンフレットに書いてあります。

ここを右折

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東京方面から行くと、国道20号線「上岩崎・原」交差点を右折。

少し進んで祝橋を渡ったら、写真の交差点を右折すると勝沼氏館

専用駐車場があります。(5~6台無料)

 

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こんな感じの駐車場です。

 

勝沼氏館跡

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駐車場から畑みたいな何もない野原を少し歩くと遺構がお出迎え。

いきなり巨大な土塁と空堀が出現!

 

東門木橋

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写真奥にあるのが東門で、内堀と東門をつなぐ役目がこの木橋

でした。(現在木橋は撤去されています)

 

見事な土塁&堀

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東門木橋の土台石垣から北東に向かって掘られている空堀と土塁

です、ここまでくるともはや城ですね。

 

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木橋の土台です。

 

土塁&堀

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写真左の土塁は高さ3mあるのだとか、実に見事です。

 

北側土塁&堀

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内郭と北側と東側を囲んで高さ約3mの土塁が築かれ、その外側

には最大約15mにおよぶ空堀が設けられていました。

 

北門跡

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大手口にあたる北門です、内郭の北西端に設けられ木橋で外部と

接続していました。

 

説明看板(1)

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内郭部の詳細な説明が書かれています。

 

説明看板(2)

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写真にうまく撮れませんでした。(字が読みにくい)

 

工房跡

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鍛冶工房や木製品加工の工房が置かれ、郭の中で工人達が働いて

いた事が想定されています。

 

会所跡

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ここで色々な事を話していたのでしょうか?

 

会所水溜

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汚水や生活排水の排水枡の事でしょうか。

 

主屋跡

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館の主はここで生活をしていたのでしょうか。

 

築地塀

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昔ここには築地塀がありました。 へぇ~…。

 

半地下蔵跡

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地下の収納スペースでしょうか。

 

櫓跡

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内郭の南端にある「 櫓跡 」です、櫓の土台にしてはやけに小さい

ような気がするのですが気のせいでしょうか?

 

内郭からみる東門

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東門を内郭から見るとこんな感じです。

木橋で堀の向こう側とつながっていました。

東門左側の土塁

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見事な土塁に思わず声がでる、「うぉ~!すご~!」でも大丈夫、

周りに人は誰もいません。 (居るのはカラス一羽だけ)

 

見事な曲線美

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内堀東端の堀の折れ部分、この曲線美がたまりません。

復元ではありますが、「いい仕事してます」。

 

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山梨県立ワインセンターの建設候補地となったことで館跡の詳細

な調査が行われ、その全貌が明らかとなりました。

 

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勝沼氏館は日川の北岸にある標高418mの河岸段丘上に築かれて

いました。対岸には甲州街道、館のすぐ西には旧鎌倉街道が通る

交通の要所であり、相模・武蔵方面への備えの役割を担っていた

と考えられます。

勝沼氏館跡

見所ポイント: 空堀、土塁、東門、北門、内郭、建物跡(主屋、御座所、工房、等)

駐車場: 勝沼氏館跡専用駐車場(5~6台無料

総評: 昔この辺りに勝沼氏館があったと言われてきた推定地に、昭和48年、県立ワインセンターを誘致する計画が立てられ、建設予定地内を試掘調査したところ、礎石建物郡、石積水路等の遺構や中世陶磁器片、土師質皿(はじしつさら)等の遺物が検出されました。その後昭和52年まで断続的に調査が行われ、いま内郭と呼ばれている館跡の中枢部分の遺構配置などが明らかにすることができました。と、パンフレットに書かれています、とても素晴らしい事だと思いました。

特にここを訪れた者をいきなり魅了してしまう巨大な土塁と空堀は、まさに圧巻でここへ来て本当に良かったと思ってしまいます。それと建物跡群から当時の生活様式を垣間見る事ができ、とても貴重な遺構であることがうかがえます。

館跡の一部分ではありますが、こうして国指定の史跡として遺構を後世に伝えて行く事ができていて、本当に喜ばしいかぎりです。

この素晴らしい遺構の数々を週末にでも見に来られてはいかがでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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