みやじ の登城備忘録

2018.4月スタートの続日本100名城スタンプラリーをメインに活動をしています。お城の散策と同時に地元B級グルメも堪能します。


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獅子吼城登城! 石積を多用した山城~

獅子吼城

別名: 江草城、江草小屋。

所在地: 〒408-0103 山梨県北斗市須玉町江草

城地種類: 山城

築城年代: 不明?。

築城者: 江草氏?。(北条氏が改修?)

主な関連施設: 無し。

文化財史跡区分: 市指定史跡。

案内看板

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新府城、若神子城の次はここ " 獅子吼城 " へやって来ました。

近年、いつものルートが立入禁止になったとの情報を得て、確認すべく

再々登城する事にしました。

獅子吼城概要:

築城年代については不明で、西暦1400頃には江草氏がこの城を使用していた資料が出てきています。

家督を相続した武田信玄甲州佐久街道を抑える交通の要所、狼煙の中継地点として、拡張&整備をし獅子吼城としたと伝えられています。

1582年(天正10年)本能寺の変で信長が討たれたのち、旧武田領を巡って北条氏と徳川氏が争った天正壬午の乱では、北条軍が獅子吼城を占拠しましたが、服部半蔵率いる伊賀組と小尾衆などの夜襲によって落城し、その後廃城となり現在に至ります。

 今までのルート

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県道23号線「増冨ラジウムライン」から塩川を渡ると突き当りに

「 獅子吼城と大ケヤキ」の標識がでてきます、そこを右折(左折でも行けます)

し暫く行くと根古屋神社の大ケヤキがあり、その先が今まで通る事が

できた登城口です。

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近年まではここから数々の遺構を確認しながら主郭まで行けたので

すが、現在ではご覧の通り。

 

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この城西側からのルートがこれまたしんどい!急斜面のうえに大きな

岩がゴロゴロ、倒木もありでそれなりの靴を履いていかないと登れません。

 

根古屋神社

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車で来られる方はこちらの根古屋神社を目指して下さい、この神社の

向かいに獅子吼城専用(併用?)駐車場があります。(10台程度駐車可)

駐車場緯度経度:35.819983, 138.463148

 

ケヤキ

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せっかくなので城へ向かう前に、こちらの大ケヤキを見学する。

大きさ的にはかなりの太さなのだが、けっこう腐食している感じ。

 

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根古屋神社の大ケヤキ

神社の境内に、本殿と舞台を挟む形で両脇に大きなケヤキがある。

向かって右手が「畑木」、左手が「田木」と呼ばれ、いずれも樹高 20 m、

目通り幹囲 10 mを超える巨木である。

芽吹きの早さによって、その年の作柄を占う習わしがあった

(畑木が早いと畑作が、田木が早いと田が豊作となる)。

Wikipedia)より引用。

新しい登城口

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今までの登城路とは比べ物にならない程の急斜面で、しかも足場が悪い

こちらのルート。(スニーカーでは登らないで下さい)

登城口緯度経度:35.818059, 138.462614 

 

急斜面の悪路

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新登城口から主郭まで、ご覧の通りの悪路が続きます。

尚、所どころにピンクリボンが木に括りつけてあるので、それを目印

に登って下さい。

 

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山頂の主郭付近となります、このピンクリボンの先が主郭となります。

 

 

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こちらの主郭から南西方向に若神子城、北に大渡の烽火台を見る事が

できます。

説明看板があったので見てみましょう↓

 

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看板が汚れていて読みにくい…。

 

主郭

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主郭はこの城で一番広く、測定はしていないがだいたい20m×30mの

広さの楕円形をしています。

 

主郭北東の段郭

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写真では分かりにくいですが、郭が段々に3段ほど連なっています。

違う角度から見てみましょう↓

 

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帯郭が3つ連なっている縄張構造ですね。

 

 

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これまた分かりにくいですが、各曲輪は石積によって囲まれており、

甲斐の山城には珍しく、多数の石積を見る事ができます。

 

石積

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現在ではかなり崩れてしまっているため、おそらく往時の姿をとどめて

はいません。

なので、それなりに頭の中でイメージしながら散策する必要があります。

 

 

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幸いにもこの山は石だらけなので、材料となる石の調達には苦労しな

かったんだろうなと簡単に想像がつく。

 

竪堀

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縄張図では、城の北東に位置する竪堀と表記してありました。

元々は沢だった部分に手を入れて竪堀としたのかな?と、感じました。

 

軌道ログ

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根古屋神社の駐車場~新登城口~主郭~段郭~と進み、ここで立入禁止

区域がどうなっているか確認すべく城を南東(旧登城口)へと下りました。

肝心の私有地で立入禁止の部分ですが、看板やロープ等は何もなく、

気が付いたら旧登城口へと出てしまいました。(注意が必要です)

 

下城

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駐車場まで歩いてもどり、車に乗り込もうとすると何かが鳴いた!

ふと、振り返るとそこには真っ白な猫が一匹。

獅子吼城の猫城主に別れを告げ次の目的地へと向かいました。

スタンプは…

ありません。

御城印ありません。

 

獅子吼城

見所ポイント:主郭、帯郭、石積、眺望、竪堀、新登城口の悪路、その他。

駐車場:城の西側、根古屋神社の向かいに10台程度(無料)。

    駐車場緯度経度:35.818059, 138.462614 

総評: 甲州佐久街道と信州峠を抑える交通の要所、狼煙の中継地点として重要な拠点であったであろうここ獅子吼城。

天正壬午の乱の後に廃城となり現在に至りますが、その城跡としての姿は風化してはいるものの、かろうじて石積や竪堀、曲輪跡がのこり往時の姿を現在に伝えています。

甲斐の山城には珍しい、石積が多用されているここ獅子吼城に週末あたり訪れてはいかがでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

新府城登城!続日本100名城 26城目      武田の最後にして未完の城~

新府城

別名:韮崎城、韮崎館

所在地: 〒407 - 0262 山梨県韮崎市中田町中條字城山

城地種類平山城

築城年代: 1581年(天正9年)

築城者武田勝頼

主な関連施設韮崎市民俗資料館(スタンプ設置場所)

文化財史跡区分: 国指定史跡

丸馬出・三日月堀

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2017年4月6日の「城の日」に財団法人日本城郭協会が続日本100名城

発表しました、山梨県からはここ " 新府城 " と 要害山城 が選ばれました。

スタンプを押したうえで登城数をカウントしたいと思います。

今回の要害山城をもって続日本100名城、登城 26城目とします。

新府城概要:

新府城(韮崎城)は織田信長の甲斐侵攻に備えて、1581年(天正9年)2月に築城を開始し、同年の12月には躑躅ヶ崎館からの移転が完了していたと伝えられています。

立地的には八ヶ岳からのびる七里岩(高さ約80m)の断崖絶壁を巧みに利用した平山城で、丸馬出や三日月堀、また " 出構 " と呼ばれる稀有な防御構造を有する造りとなっています、まさに武田流築城術の粋を集めて造られた武田氏最後の城跡となっています。

新府城鳥観図

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以下、こちらの鳥観図を元に位置関係等を説明していきます。

 

韮崎市民俗資料館

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こちらの建物が韮崎市民俗資料館で、続100名城のスタンプと新府城

パンフレットがあるので登城前にこちらへ来る事をお勧めします。

駐車場緯度経度:35.719363, 138.443656 

 

 

新府城専用駐車場

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新府城の縄張と駐車場の位置関係については鳥観図を参照して下さい。

駐車場緯度経度:35.737737, 138.426329 (約30台駐車可、無料

 

城東、進入路

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ここ新府城跡の見学ルートは主に3つあります、①駐車場~搦手口・

②駐車場~階段登り本丸・③駐車場~大手口。

自分的には、大手~丸馬出・三日月堀~三の丸~二の丸~本丸~搦手

を順番に見れる③のルートを強くお勧めします。

 

大手枡形虎口

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位置関係は鳥観図を参照して下さい。

丸馬出から枡形虎口方面を向いて撮ったのが、こちらの写真です。

 

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枡形虎口の南西側から虎口内を収めた一枚となります。

かろうじて虎口の土塁が残っている感じです。

 

丸馬出から

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この丸馬出と三日月堀は、ここ新府城跡においての見どころの一つとな

っています。

ここから見える富士山が綺麗なので見てみましょう↓。

 

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こんな感じです、良い眺めですね。

往時、勝頼はどの様な気持ちでこの富士山を見ていたのか?

 

三日月堀

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武田氏の城によくみる " 三日月堀 " となります、当日(2020.1.2)の

時点でこの三日月堀は工事中でした、整備が終わってからまた見てみ

たいですね。

 

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西側からも見てみます、近年の調査で丸馬出に向かう為の通路や土塁

の存在が新たに確認されているそうです。

 

三の丸

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本丸の次に大きな曲輪で、北辺約130m、南辺約70m、南北約100mの

規模となり、南から北へと土塁で曲輪を仕切り、東三の丸と西三の丸と

に分けられた造りとなっています。

 

本丸を目指す

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三の丸が草ぼうぼうで進入出来なかったので、二の丸~本丸を目指す。

二の丸については三番目の広さを誇っていますが、現在では草の生えた

広場といった感じで、その南側に展開しているはずの馬出は確認でき

ませんでした。

食違虎口に関しても復元整備がされていないらしく、やや残念な感じでした。

 

本丸トイレ

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ここ新府城跡には本丸にトイレがあります、でも冬季は使用禁止なので

注意が必要です。

 

蔀の構え

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シトミの構えとは…? 看板にはこのように書いあります。

現在この場所は、本丸東にある神社へ行くための道路が通っており、

このシトミの構えの遺構は確認する事ができません。

 

本丸

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東西約90m、南北約120m程の長方形をした曲輪で、礎石や築地塀など

が発掘調査で見つかっています。

現在では藤武神社と勝頼公霊社が本丸内に建てられています。

 

説明看板

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こちらの看板に注目すべき事が書いてある、ここ新府城の見どころの

一つでもある " 出構 " が十字砲火をするための防御施設だという部分。

なるほど…、それであんな構造をしてるんだと納得する。

 

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こちらが新府城の  " 想定復元図 " となります、ここまで造っておいて

使わずに焼き払うとは…!そこまで追い込まれていたんですね。

 

長篠役陣歿将士之墓

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真ん中の柵に囲まれているのが勝頼公霊社で、その横にあるのが長篠

の戦いで戦死した武将達を祀っている霊位となります。

 

甲斐国主武田氏四百年追遠の碑

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何でも武田家の歴史と功績、そして現在に至るまでの事がびっしりと

書かれているらしい。

因みにこの石碑のサイズは高さ1.64m、横6.67m、厚さ0.36mらしい。

材質が御影石という事なので計算すると…約10,300kg!(よく運んだな)

 

本丸北側の眺望

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本丸の北からはこの様に八ヶ岳雄大な姿を見ることができます。

ここ新府城は、昼夜を問わずの突貫工事で造られたといわれています、

当時、この工事に関わったであろう人達の疲労と苦労は如何程のもの

であっただろうか?

 

井戸跡

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直径25~30mのすり鉢状の井戸で、山の斜面から湧き出る水や雨水を

溜める井戸であったと考えられます。

説明看板があったので見てみましょう↓

 

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看板の汚れ具合がなんとも…。

 

 

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別の角度からの一枚、現在では水は溜まっておらず乾燥しています。

 

乾門枡形虎口

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こちらの虎口には二つの門があったとされています、どちらも発掘調査

の結果、焼け落ちた跡が残っていたそうです。

乾門・二の門の説明看板があったので見てみましょう。

 

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色々検討はしたが、復元には至らなかったみたいです。

 

帯郭の土塁

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城の北側を守る水堀、その城塁に盛られた土塁がこちらです。

石垣などは一切使用されておらず、土のみで造られ城北側の防御と

されています。

 

航空写真

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城の北西、搦手口の広場にこちらの航空写真があったのでご紹介。

なるほど、こうして見ると自然の断崖を上手く利用しているのが分かり

ます。

 

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こちらが " 七里岩 " の上から西側(釜無方面)を見た風景となります。

藪が凄いのと、この先は断崖絶壁で危ないのでこれ以上先には行けません。

 

城北側の水堀

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場所は鳥観図を参照して下さい(城北側の搦手側)。

ここ新府城において高低差があまり無く、防御において弱いと思われる

だけあり、水堀と高い土塁(切岸)で北側の防御としています。

 

西出構

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城北側の水堀に突き出た二つの長方形の防御施設で " 出構 " と呼ばれて

います。

 

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城の北東側に位置する水堀となります、この前方部分に東出構があり

ます。

 

東出構

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こちらの出構の役目については諸説ありますが、やはり説明看板にも

あった通り " 鉄砲陣地 " であった可能性が高いのでは?と思いました。

北側から攻めてくる敵に対し、帯郭とこの出構から鉄砲等の火器を用

いて十字砲火を浴びせ、敵を撃退する事を目的に造られたのではない

でしょうか。(そう信じたい)

 

スタンプ押印

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スタンプ設置場所韮崎市民俗資料館(09:00~16:30休館日は月曜、年末年始)

スタンプの状態: " 普通 " 屋内管理だが、上手く押せなかった。

スタンプの印影: 例の航空写真を参考にしたか?

新府城

見所ポイント:本丸、二、三の丸、丸馬出三日月堀、乾門枡形虎口、水堀出構等。

駐車場:緯度経度:35.737737, 138.426329  (30台程度・無料

総評:韮崎の地に1581(天正9年)に武田勝頼によって築城されたここ新府城は、築城から入場まで1年にも満たない短期間で築城されました。(在城期間わずか68日)

織田や徳川の侵攻を意識して造られたこの城は、築城に際して真田昌幸などの家臣が深く関わったとされているだけのことはあり、とても良くできた城であったと感じました。(とくに出構などは興味深い)

まさに「武田流築城術の粋を集めて造られた」と言っても過言ではないここ新府城

週末あたり訪れてはいかがでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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