みやじ の登城備忘録

2018.4月スタートの続日本100名城スタンプラリーをメインに活動をしています。お城の散策と同時に地元B級グルメも堪能します。


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津城登城!続日本100名城 14城目         藤堂高虎流築城術をこの目に~其の一

津城

別名安濃津城(あのつ じょう)

所在地: 〒514-0033  三重県津市丸ノ内5-1

城地種類: 平城

築城年代: 元亀元年~慶長(1570~1608)にかけて。

築城者織田信包(おだ のぶかね)

主な関連施設高山神社社務所(続100名城スタンプ設置場所)

文化財史跡区分: 県指定史跡

模擬櫓

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2017年4月6日の「城の日」に財団法人日本城郭協会が続100名城を発表

しました。三重県からは田丸城多気北畠氏城館赤木城と 今回訪れた

津城 " が選ばれました。続100名城は幾つか登城済みですが、スタンプ

を押したうえで登城数をカウントしたいと思います、今回行った津城

を登城 14城目とします。

津城概要:

織田信長による伊勢侵攻のために弟の織田信包が安濃川下流に城を築きます、天正8年(1580)に完成したこの城こそが " 津城 "  の原型となります。その後文禄3年(1595)に富田知信(とみた とものぶ)が入ります。その子供である富田信高は、慶長5年(1600)の関ヶ原の戦いで東軍につきますが、西軍の毛利秀元率いる3万の軍勢に城を包囲されます(安濃津城籠城戦)。この時「会津攻め」で上杉氏討伐のために不在の主力をカバーする為に町民がメイン(約8割)の義勇兵約1500~1700名で籠城戦を展開します。3万もの大軍を相手にこの城と共に死力を尽くし、力攻めでの落城を免れます。その後和睦し、開城しましたが東軍が関ヶ原で勝利したため再び津城城主に返り咲きました、その後藤堂高虎が入封し城を大修築し以後幕末まで続きました。

模擬石垣

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この城は現在、津城跡城址公園として市民の憩いの場となっています。

模擬櫓は往時本丸東にあった東鉄門付近に石垣と共に建てられました。

(本来この位置に櫓は無かった)詳細についてはのち程説明します。

 

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この石垣の違和感がハンパない…。

 

説明看板

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なかなか良く出来た説明看板です。

 

 

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先程の説明看板をアップで見てみましょう。

 

東鉄門とは

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往時、本丸に入るにはこの東鉄門か西鉄門を通らなければ本丸内に入る

事ができませんでした。(例外として埋門からの出入りもできた?)

後にこの埋門(うずみもん)の存在が自分を悩ませる事になろうとは

この時は知る由もありませんでした。

 

丑寅三重櫓

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 江戸時代の津城には本丸、二の丸、西の丸に計18基もの櫓が建てられ

ていたとされています。そのうち本丸には5基の隅櫓がありましたが、

丑寅櫓、戌亥櫓はそれぞれ三重櫓であり長大な北多門櫓で連結されて

いました。

 

模擬櫓

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昭和33年(1958)に戦後復興のシンボルとしてRC造りの模擬櫓が建て

られました。本来この位置に櫓はなく、観光用にこの位置に建てられま

した、なぜこの位置なのか?それは現在の国道23号線の伊勢街道から

城跡を見た時に、パッと目に入るこの位置に建てられました。

 

高石垣上から

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早速、石垣の上に登ってみる、ここ津城跡では高石垣上に安全柵は無い

のでこの様なアングルの写真も撮る事できます。(小さい子は注意!)

 

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それにしても高い、足が震えます。

 

丑寅櫓台・高石垣天端から

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明治18年(1885)に解体して売却されるまで本丸北東にそびえ立ち、

津城の建物の中では最も大きな建物群でした。水面から屋根までの高さ

は約20mにもなったとされています。

 

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城の建物について記した資料が残っており、その資料(御城内御建物

作事覚四)には本丸石垣上の櫓の構造を記した図面等がありました。

 

 

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その図面には丑寅櫓や戌亥櫓をはじめ、多聞櫓・太鼓櫓などの建物の

構造等が記されており、当時の建物の詳細を知るうえでとても貴重な

資料となっています。

 

北多聞櫓跡

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 ここにあった北多聞櫓は桁行(長さ)四十七間半、梁間(幅)三間というとても

長大な建造物でした。

 

 

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内部は三間ごと十六室に区画され、有事の際には防御の拠点となって

いました。

 

戌亥櫓跡

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本丸にある丑寅櫓、戌亥櫓とその他の二重櫓は多聞櫓で結ばれていて

とても強固な防御施設を有する縄張構成となっていました。

 

 

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 高石垣の稜線は直線的なフォルムで造られており、高虎流を彷彿と

させる石垣となっています。

 

石碑

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濠沿いを歩いていたら見つけた石碑です、よみづらい…。

 

 

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当時この内堀は幅が100m近くあり、まるで湖に浮かぶ要塞のようで

あったのではないでしょうか。

 

 

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当時、石垣の上に建つ白壁の櫓や多門櫓が濠の水面にうつる姿はまさに

「水城」であった事でしょう。

 

西の丸

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本丸西側には土橋でつながった西の丸という曲輪がありました、ここ

には番所や武器庫、西の丸隅櫓などの建物があったとされています。

 

西の丸虎口

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土橋の左側には西の丸隅櫓(玉櫓)が建っていました。

土橋の右側には大きな門があったとされており、とても強固な虎口と

して機能していたみたいです。

 

 

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このように本丸と土橋で結ばれた西の丸と東の丸の曲輪は、「 馬出

のように機能していたと考えられています。

 

石垣

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正面の部分の石垣は濠が埋め立てられた際に積み直された近代の物で、

谷積みとなっています。

 

天守台を目指す

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現在、南内堀は完全に埋め立てられてしまっているため濠はありません、

なので歩いて天守台の石垣下まで行くことができます。

 

天守台高石垣

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この天守台の石垣はとても面白く、見る方面(東西南北)によって様々

な積み方で積まれています。

ここ(西側)は野面積でつまれ年月の古さを感じさせます。

 

 

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こちらは南側、野面と打込接を足して2で割ったような感じで積まれて

います。

 

 

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こちらの天守台には天守がありましたが、寛文2年(1662)の火災で

焼失し、その後天守は建てられなかっと言われています。

今回はここまで、其の二へつづく。

津城

見所ポイント: 本丸、西の丸、戌亥櫓台石垣、丑寅櫓台石垣、その他石垣群。

駐車場: 城址公園専用駐車場アリ(有料

中間報告:ここ津城は天然の濠と人工的な濠を巧みに使い、本丸・内堀・二の丸・外堀を回の字のように巡らした輪郭式の近代城郭へと改築され、とても強固な城郭へとなっていきました。(現在は本丸のみ)とくに本丸北側の丑寅櫓、北多聞櫓、戌亥櫓の石垣は実に見事で、訪れる者を魅了してしまう程の美しさを醸し出しています。こんな高虎流の見事な石垣と犬走りを週末あたり見に訪れてはいかがでしょうか。

 其の二では埋門から月見櫓周辺を紹介していきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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