みやじ の登城備忘録

2018.4月スタートの続日本100名城スタンプラリーをメインに活動をしています。お城の散策と同時に地元B級グルメも堪能します。


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平井金山城登城!関東管領山内氏の詰城~

平井金山城

別名: 平井詰城

所在地: 〒375 - 0045 群馬県藤岡市下日野字金井

城地種類: 山城

築城年代: 永享10年(1438年)頃

築城者: 長尾忠房?

主な関連施設:無し

文化財史跡区分: 県指定史跡

案内看板

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埼玉県の虎ヶ岡城、御嶽城、雉岡城を攻略し翌日時間があったので、前から

行きたかった群馬県の " 平井金山城 " へ行ってきました。

平井金山城概要:

長尾忠房が関東管領上杉憲実のために、標高326mの尾根筋に築城したといわれていますが、定かではありません。 平井詰城とも呼ばれ、関東管領山内上杉氏の居城である平井城の詰めの城と考えられています。

縄張図

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駐車場にあった案内看板に描かれているこちらの縄張図を参考に、平井金山城

をレポートしていきたいと思います。

 

駐車場

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こちらの駐車場に車を停めて登城します、ナビのセットは藤岡市立日野小学校

にセットしましょう。(10台以上駐車可)

 

尾根筋到着

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ゆっくり登って30分位でしょうか、尾根筋へと到着しました。

左へ行けば本郭、右へいけば物見台となります、まずは物見台から↓

 

物見台跡

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場所は縄張図の①となります。

現地の説明看板によると、ここに物見の為の櫓があったと書かれています。

その看板にこんな詩が書かれていました↓

見渡せば 関八州も 一眺め 筑波の山の 見ゆる日もあり

風流ですな…、よく分らんけど。

 

堀切

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物見台跡から西に進むと、すぐに現れるのがこちらの堀切。

経年劣化で鋭さや深さはありませんが、その存在を確認するのには十分です。

 

虎口

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場所は縄張図の②となります。

石積の跡が見受けられるので、かつてここには城門があり、堅固な虎口であった

であろうと予想されます。

 

段郭を下から

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この辺りは高低差を利用した3段の段郭が展開し、それぞれの郭に虎口が設け

られ、防御の要としています。

 

本郭跡

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先程の段郭部分から西へと進んで行くと、こちらの本郭に到着します。

因みにこの本郭の南側に " 大石垣 " があるというので見に行きましたが、ただ

の大きな岩があるだけでした。

 

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本郭の周りは樹木が生い茂っており、眺望は良くありません。

本郭の西側に曲輪が2つあるので、見に行きます↓

 

本郭西側

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場所は縄張図の③となります。

曲輪を占拠するこちらの建物は、休憩所を兼ねた雷除けの避難小屋だそうです。

 

 

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先程の小屋のある曲輪から、西側すぐ近くにある曲輪となります。

西側の城域はここまでで、この先は急斜度の崖みたいになっています。

 

本丸北の大堀切

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場所は縄張図の④となります。

本郭の北側に小さな腰郭があります、その下(北側)に本郭北側をとり巻く通路

のような空間があり、その通路(虎口)と向かって北側にある曲輪とを分断

する大堀切がこちらの写真です。(通路西側から撮影)

 

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先程の大堀切にある土橋から南側(本郭側)を撮った写真がこちら↑

まず大堀切で守られ、その先が虎口に守られ、そのすぐ後ろ(北側)の腰郭

から攻撃され、更にその後ろ(本郭)からも攻撃されるという、「ここから先

(本郭)には行かせない!」という強い意思を強烈に感じます。

 

大堀切北側の曲輪

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先程の大堀切北側の曲輪となります、ここはこの城の中でもかなりの大きさ

を誇る曲輪となります。

 

北西の堀切

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先程の曲輪から北へ5つの段郭があるのですが、これについては土の遺構が劣化

しており、写真で伝える事が難しい。

場所は縄張図の⑤となります。

堀切の左右は竪堀となっていますが、ほぼ埋まりかけています。

 

井戸跡

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こちらの井戸跡は、平成9年に発掘調査が行われました。

尾根上からの深さは約3m程あり、東西に長い長方形をしていたそうです。

(説明看板より抜粋)

その説明看板がこちら↓

 

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矢穴はしっかりと確認しました。

 

櫓門跡の南西部分

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場所は縄張図の⑥となります。

この部分は本来細部にまでこだわって造られた可能性がある防御施設なのです

が、土の遺構が経年劣化しており、その形や思惑がいまひとつ把握できません

でした。

 

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先程の凝った造りの土の遺構部分において唯一理解できたのが、こちらの堀切

です。(西側から撮りました)

ここから平場を通り北へ進むと櫓門跡があります↓

 

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廃城になった際に破却されたのでしょうか?

僅かにのこる石積の跡と土塁が、往時ここに櫓門があったであろう痕跡として

今もなおこの場所に残っています。

 

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櫓門跡の北側部分の石積となります、石積はここから直角に折れて北側へと

続いていきます。

 

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場所は縄張図の⑦となります。

この石積部分が土台となり、この上に " " が築かれていたはずです、それが

板塀なのか土塀なのかは分かりませんが…。

 

 

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この標高300m以上を誇る山城で、ここまでしっかりとした石材を使用し、石積

を施している辺りはやはり関東管領の権力と財力が関係しているのかな?と、

思いました。

 

石積で囲まれた曲輪

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先程の石積で囲まれた曲輪となります。

この部分は、大手筋の守りの要として機能するためにこの広さが必要だった

のでしょうか?

ここから尾根筋を北東へと移動し、櫃岩へと向かいます↓

 

櫃岩手前(南西)の堀切

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櫃岩の手前にある堀切ですが、やはりかなり埋まってしまっています。

 

 

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尾根筋の北東端付近にある大きな岩で、この岩の上からは城の北側が一望でき

たはずです。(現在は樹木が邪魔してほとんど見渡せません)

 

平井金山城ログ

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竪堀を見るのを忘れたのに距離が2.4kmあり、消費カロリーが900kcalでした。

なかなかの山城で、良い運動となりました。

 

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平井金山城周辺の地図です、この城の置かれている状況が把握できます。

平井金山城

見所ポイント石積各段郭群(東と北)、井戸跡、④の防御施設群櫓門跡、等。

駐車場藤岡市立日野小学校の道向かいに専用駐車場(10台以上駐車可)。

総評関東管領山内上杉氏の詰城であった、とされている平井金山城ですが、関東管領の名に恥じぬ見事な山城となっています。まず尾根筋に展開する段郭群ですが、各曲輪の虎口部分が石積を用いており、そのうえ坂虎口で廻りこむように造られています。他にも④の部分の複雑な土の防御施設櫓門跡、櫓門跡横の塀の基礎石積等、とても技巧的でしっかりと造りこまれた遺構の数々は、この山城を訪れた者を感動させるのに十分な価値と魅力を兼ね備えています。この群馬県の宝ともいうべき山城、" 平井金山城 "  へ週末あたり訪れてはいかがでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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