龍岡城
所在地:〒 384-0412 長野県佐久市田口3000 - 1
城地種類: 平城(稜堡式)
築城年:元治元年(1864)~慶応3年(1867)
築城者: 松平 乗謨(まつだいら のりかた)
文化財史跡区分:国指定史跡
穴門付近石垣
2017年4月6日の「城の日」に財団法人日本城郭協会が続100名城
を発表しました。長野県からは龍岡城五稜郭と高島城が選ばれました。
続100名城は幾つか登城済みですが、スタンプを押したうえで登城数
をカウントしたいと思います。竜岡城を登城 2 城目とします。
龍岡城概要:
龍岡城は幕末期に築城された星形稜堡式で、函館の五稜郭とともに日本に二つしか現存しない西洋式城郭の貴重な史跡である。開明派だった藩主松平(大給)乗謨が自ら設計にあたり、元治元年(1864)に着工。明治維新を目前とした慶応3年(1867)に一応の完成をみたが、西側3分の1ほどの堀などは未完成に終わっている。と、手元の資料にかいてあります。
濠の端
南南西の濠の終着部分がこちらになります、ここから向こう側に濠
があります。
ではここから後ろを振り向いてみましょう。
この様に濠の無い未完の部分ではありますが、その気になればすぐ
にでも工事を開始できそうな感じになっています。
では、今一度振り返りその先を見てみましょう。
ここから城の北側まで濠が続いて行きます。
長年濠は見てきましたが、この構図で見るのは初めてでした。
南側土塁
先程の濠端から少し南東側に進んだ所です。
濠にそって土塁が盛られています。
今日は休日(日曜日)なので静かですが、平日はきっと子供達の声が
響きわたっているはずです。
この土塁の上が道みたいになっていて、歩いてグルリと城跡を一周でき
るようになっています。(桜が満開だったらどれだけ気持ちが良い事か)
では、さらに南東側へと進んでみましょう。
水堀側の石垣は野面積になり、すぐ畑となっています。
なんとも長閑な風景となっています。
南端
星形城郭なので、この様な角が5箇所あり皆似たような風景となります。
外周に沿って桜の木が植えられているので、満開の時はさぞ美しいんだ
と思います。(来るのが1週間早かった)
東通用門付近
何でもここにあった東通用門は現在、佐久市内の薬師寺の山門として
残されているみたいです。
城内の校庭
こちら佐久市立田口小学校の校庭となります。
学校のホームページを見ると、
「明日もきたくなる楽しい田口小学校」
五稜郭の 輝く子ども
かしこい人 思いやりのある人 ねばり強い人 ふるさと(田口)に学ぶ人
と、書いてありました、しかも学校の校章が五稜郭の形になっており
その中に桜、そして「小」の文字が入るとても良いデザインのものでした。
確かに城好きな人からしたら、毎日通いたくなる学び舎ですな。
通用門付近の土塁
水堀の内側に巡らされた芝土塁は、草刈がしっかりとなされ整備されて
います。
通用門を少し北東側に進んだ所の " 折れ " の部分です。
東側土塁
東端稜堡手前の土塁です、桜が満開の時にこの道(土塁頂部)を歩いて
城を歩いたらどれだけ心が洗われる事か…。
(来年も来よう、桜が満開の時に!)
東端稜堡
この端の部分の芝は写真のようになっています。
みんなこの部分に立ちたいんですね。(人間の心理ってやつですか)
田口招魂社
過去の戦争で亡くなられた英霊達を祀っていると聞いた事があります。
一礼をし、城内の散策を続けます。
北端稜堡
この位置に桜を植えますか…。
明らかに意識していますね、「美観」というやつを…。
では、回れ右をして振り返ってみましょう。
稜堡から見る内城の風景で、一番絵になると思われるのがこの北端稜堡
から見るこちらの風景です。
大手門付近
大手門付近の石垣も切込接の布積でとても美しい作りとなっていますが、
水堀を挟んで外城側の石垣は若干作りが荒いものとなっています。
つまり、城を見る場合当然外城側から内城側を見るので、石積職人達は
特に目につく内城側の石垣を丁寧に積んだものと推測されます。
大手門付近の看板
若干文字がかすんでいます
ふれあい館
龍岡城五稜郭を存分に散策したので、スタンプを押すためにこちらへ。
ここ「 ふれあい館 」 には様々な資料も展示してあります。
田口城案内図
ここ「ふれあい館」で気に入ったのが、こちらの田口城案内図です。
なんでも地元の方の手作りらしく、とてもよく出来ています。
欲しかったのですが、生憎品切れで壁に展示してある物を写真に収め
ました。
ご当地グルメ
山賊焼き:
山賊焼きは割と大き目な鶏肉に、にんにく醤油ベースの味付けを
して片栗粉、 小麦粉などをまぶしてカラッと揚げた郷土料理です。
本当は安養寺ラーメンを食べたかったのですが、龍岡城に来る途中
空腹に耐えきれず、PAで食べました。
お土産
ここ「ふれあい館」にはお土産売り場に手作りクッキーを売っています。
店員のおばちゃんいわく、「さくらクッキーが人気商品です」との事だが
自分的には写真右の " ココアアーモンド " がメチャ旨でした。
スタンプ押印
スタンプ設置場所: 五稜郭であいの館(入って左側)
スタンプの状態: スタンプのふちにインクが付き残念な結果に…。
押すときには注意が必要です。
龍岡城
見所ポイント: 石垣(切込接、打込接、野面、)刎出、お台所、陵墓の桜、
駐車場: であいの館 十数台駐車可能。
総評: 五つの陵が突き出ている星形の西洋式城郭は、日本に二つしかない貴重なもの。
龍岡城五稜郭と呼ばれ五稜郭の内部を内城と呼び、御殿や火薬庫、長屋などが置かれた。五稜郭の外側北辺には藩士屋敷などが置かれて、外城と呼ばれた。と、手元の資料に書いてあります、まさにその通りです。
今回この龍岡城を訪れて感じた事は、「 他の城跡とは一味違うな 」 という事でした。
それは何かというと、通常城跡に訪れ隅から隅まで散策しているうちに、往時はこんな感じだったんだろう、そして今は…。と、こんな感じで切ない思いになる事が多いのです。ところがここ龍岡城の遺構達は不思議とそんな哀愁漂う切ない表情を見せません。
個人的主観で申し訳ありませんが、ここ龍岡城は形式上「廃城」になりました、でも
城内で学問を学ぶ子供達を守るという立派な役目があり、自慢の石垣と濠、土塁と桜で今でも " 城 " として子供達を守るという役目を全うしているように感じます。
だからこそ今現在でも、遺構達が生き生きと輝いて見えるのではないでしょうか?
そんな素晴らしき西洋式稜堡城郭、龍岡城五稜郭に週末あたり訪れてみてはいかがでしょうか。 (来て損はしない、そんな感じのお城なのでおススメです)