みやじ の登城備忘録

2018.4月スタートの続日本100名城スタンプラリーをメインに活動をしています。お城の散策と同時に地元B級グルメも堪能します。


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本栖城登城!噂の大堀切をこの目に~ 其の二 2017.11.19

本栖城

所在地:山梨県南都留郡富士河口湖町本栖

城地種類:山城

築城年代:不明

築城者:不明

歴代城主: 武田氏・渡辺氏

文化財史跡区分:不明

本栖城概要:

旧上九一色中学校(廃校)のすぐ隣、青木ヶ原樹海の真っただ中、鳥帽子岳の麓にこの本栖城(標高1056m)はあります。

かつてこの本栖城付近には、甲斐の国と駿河の国とを結ぶ「中道往還」があり、国境を警備する上で非常に重要な地でした。

天文,永禄年間(1532~1570)頃の武田氏関係の文書に「本栖在城」とみられ、武田氏の国境警備のために築かれたものと考えられています。
天正10年(1582年)武田氏が滅亡すると徳川氏に降った渡辺因獄祐が本栖城に籠もり、北条氏の侵入を防いでいます。(日本で3番目に高い山城かも?

本栖城大堀切編

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御坂城 の近くにあり、樹海の中にある山城で堀切が見所

「 本栖城 」に登城します。

 

大堀切

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前回説明したとおり、ここ本栖城の縄張りは東西に細長く東側の

登城口から4つの堀切が連続する構造となっています。

 

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この堀切の特徴は、岩盤の尾根を切り崩し

深くて急角度の法面を構築している点です。

(基本岩盤なので400年経過してもこの形状を維持しています)

尚、この3つ目と4つ目の堀切の横に竪堀があります。

 

主郭

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連続する4つの堀切を過ぎ、郭を2つクリアするとこの城の中心部である

主郭に到着します。何でも地元に残る古文書にはここに天守は無く、

その代りに井楼櫓(せいろう やぐら)らしき建物があったらしいです。

 

現在地

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この本栖城のストロングポイントの一つ、現在地を把握しやすい標註。

要所要所にこのような現在地の地図付の標註があるのでとても便利です。

 

溶岩発見

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ここ本栖城では溶岩を使用した珍しい石積が多数点在しています。

溶岩で積まれた石積はとても珍しく、こ本栖城周辺でしか見た事

がありません。

小諸城には噴石で積まれた焼き石の石垣と言う物がありましたが…)

 

主郭案内看板

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看板の内容をよ~く見てみると…。

南北細長い稜線の尾根を数カ所を切って竪堀を設け…」とありますが、

南北ではなく東西ではないのか?(正確には南東━北西)。

竪堀とあるが、「尾根切り」をしたものは堀切ではないのか?

突っ込みどころ満載な案内看板でした。

 

案内看板(2)

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こちらの現在地を記した案内看板は、周辺地図付きで

とても見やすく便利です。(どう見ても南北に細長いようには…)

この後、最後の見所ポイントである「 のろし台 」 に向かいます。

 

 

井楼櫓の礎石?

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主郭をあとにし、のろし台へ行こうとしたまさにその時、目の前に表面が

平な礎石らしき石を発見しました。(表面が加工されており明らかに人工的な石です)

往時、ここには櫓が建っていた事実を鑑みるとこれらの石は櫓の礎石ではないのか?

と、一瞬思いましたが当時の年代から考察すると掘立式の可能性が高いので違うか?

でも、このまま雨ざらしで説明看板も無しで良いのか?

などと、色々と考え込んでしまいました。

 

のろし台到着

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いちおう「のろし台」と表記していますが、ここにのろし台が

あったかは正確には分かっていないようです。

ここにも櫓があった可能性があり、城内で一番高い所にあるの

で櫓から狼煙をあげた可能性もあるとか。

 

のろし台石積

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この苔むした感じがとても風情があり、まさに古城といった感じ。

 

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この溶岩で積まれた石積はとても珍しく、貴重な石積なので

できれば補修や修復をしてもらいたいものです。

 

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のろし台裏側部分の石積です、ここは断崖絶壁になっています。

 

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のろし台の平地部分です、この向こう側に最後の見所ポイント

のろし台裏大堀切 」があります。

 

噂の大堀切だった瞬間

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こちらも岩盤を切り崩した堀切となっており、その深さプラスのろし台の崖の高さが加わり、高さ的には11~12m位あるように感じます。

(実測したわけではないのであくまでも見た目です)

尚、もっと下からとか横から写真を撮りたかったのですが、両側が崖のようになっておりとても回り込めませんでした。(お城巡りは安全第一が一番大事なので)

まさに噂どおりの大堀切でした。

 

帰路に就く

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まるで土橋のような尾根道を下り下山します。

実はこの土橋のような道の両脇には所々に石積による補強の痕跡

が見られます、気になる方は探してみて下さい。

 

主郭からの富士山

 

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帰り際に主郭から見た富士山です、実に神々しい。

だが、雑木がうっそうと生い茂り景観を損ねています。

 

石柱

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主郭から下っている途中でこの様な謎の石柱を発見しましたが、

なんて書いてあるのかさっぱり分かりません。

 

連絡通路

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城山を下山すると道向こうの富士の樹海につながる連絡通路があるのですが

この通路にはあまり近づかないほうがよさそうです。(ある噂があるので…)

 

松風で昼食

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城山を散策し、腹が減ったので昼食をとる事にしました。

自分御用達の「松風」さんです。(本栖城から車で5分位です)

 

ご当地グルメ

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鹿肉カレー:

富士山麓周辺のシカをジビエとして提供しています。

レストランやホテル等、常時提供している店舗は河口湖周辺で5店舗。

肉が入荷した時だけ提供する店舗も数店舗あります。

味は、とてもスパイシーで鹿肉のクセを感じない美味しいカレーとなっています。

スタンプは

ありません。

本栖城

見所ポイント:石塁、堀切、大堀切、竪堀、狼煙台、狼煙台石垣、樹海の景色、

駐車場: 旧上九一色中学校跡にある駐車スペース(5~6台)

総評: 標高1056mの富士の樹海の鳥帽子岳山麓に構築され、中道往還を守護、警備する役目を担った本栖城ですが、とても見所がある山城で来た甲斐がありました。

まず、溶岩を多用したとても珍しい石積群、連続する見事な堀切&大堀切、のろし台等

とても貴重な歴史文化財が多数見受けられ、これらは皆山梨県の宝だと思いました。

このようにとても貴重な遺構を週末にでも見に来られてはいかがでしょうか?

ここで前回の「 竪堀 」の表記について下山後に城山を管轄する富士河口湖町へ問い合わせをしました、その時のやり取りがこちらです。↓

自分:「もしもし、私は〇〇という者ですが本栖城の竪堀の表記は堀切の間違いではな

    いでしょうか?」

役所:「た、て、ぼ、り、? ほ、り、き、り、?(何それ、美味しいの?みたいな)      

    は、はぁ~?」

自分: 「え~と、たしか歴史文化財の担当は生涯学習館の方ですよね?担当の方お願い

    します。」

役所: 「あ、は、はい、分かりました」

担当:「もしもし、私が〇〇ですが、何か?」

自分:「本栖の城山(本栖城の事)にある竪堀の表記は堀切の間違いでは?」

担当:「あれは竪堀ですっ!間違いありません。」

自分:「えっ、い、いやあれは尾根切をしてあるので堀切ではないですか」

担当:「堀切?堀切とは堀の端っこの事と認識していますが?」

自分:「ほ、堀の端っこ!???…。」

自分:「……。い、良いですか竪堀というのはこれこれこうでして…」

担当:「う~ん、でもこの本栖城は特別でしてあれは竪堀です。」

自分:「特別?なんですか特別って?う~ん、困ったなぁ」

自分:「そうだ、城郭研究をされている方とか日本城郭協会に聞いて確認してみては」

担当:「そうですね、私は著名な城郭研究家の〇〇さんとは面識があるので確認してみ

    ます」

自分:「城郭研究家の〇〇さん??? …。日本城郭協会に聞いてみては?」

担当:「では、調査が完了したら連絡しますね、電話番号いいですか」

自分:「番号はこれです、では連絡まってます。」

 

一週間経過しても連絡が無いのでこちらから電話します。

自分:「もしもし、この前電話した者ですが〇〇さんお願いします。」

担当:「あっ、ゴルゴンさんですか?丁度電話しようと思っていたところです」

担当:「実はあれから色々な先生に聞いて確認したのですが、やはりゴルゴンさんの言 

    われたとおり堀切の間違いでした。」

自分:「そうですよね、分かってもらえればそれでいいんです。」

自分:「全ての看板と標註の表記を新しい物に交換してくれますよね?」

担当:「え~と、予算の関係で交換はできないので塗りつぶして手書きします。」

自分:「そ、それでいいんですか?」

担当:「良いも何も予算が無いのでこのやり方でやります、ではまた。」

自分:「電話切ろうとしてます?まあいいか、それでは宜しくお願いします。」

担当:「ガチャ…。」

以上、役所とのやり取りでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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