箕冠城
別名:なし
城地種類: 山城
築城年: 不明
築城者: 大熊氏?
文化財史跡区分:市指定史跡
二の丸横堀
2017年4月6日の「城の日」に財団法人日本城郭協会が続100名城を発表
しました。新潟県からは高田城・村上城・鮫ヶ尾城が選ばれました。
鮫ヶ尾城登城の前に、まずは近隣の山城にご挨拶!と、いうわけでここ
「箕冠城」へやってきました。
箕冠城概要:
戦国時代に築かれた山城で、築城年代や築城者について詳細はあまり分かっていません。越後国守護上杉氏の重臣大熊氏が居城した上越にある土塁が見事な山城です。
大熊朝秀は、箕冠城を拡張修築して規模の拡大をはかりました。朝秀は上杉謙信に仕えましたが、弘治2年に武田信玄に通じて上杉謙信に叛乱を起こします。しかし、朝秀は謙信に平定され越中に逃れ、翌年には信玄に仕えています。その際に箕冠城は捨てられ
それ以降史実に登場する事は無かったと言われています。
駐車場
春日山城や鮫ヶ尾城から割と近くにある、こちら箕冠城の駐車場です。
このクラスの山城にしては、かなり立派な駐車場で十数台駐車できます。
箕冠城鳥瞰図(看板)
駐車場にある縄張図の看板です。
看板に竪堀が4条ほど記載されていますが、草が生い茂り横堀から先へ
進めませんでした。(山城はやはり冬に訪れるべきです)
この辺りには春日山や鮫ヶ尾など、立派な山城が多数存在しており、
戦国時代、この辺りは戦略上とても重要な地域だったんだろうと感じ
ました。
土塁
駐車場から進む事10分、早くも土塁が現れます。
写真の奥から来て、振り返って撮った一枚です。
鎧井戸
先程の土塁を通り過ぎてすぐ、道を挟んで反対側の斜面を下るとこちら
の「鎧井戸」があります、名前の由来は分かりません。
なんでも、どんなに暑い渇水の夏においても一度も枯れた事が無い井戸
なんだとか。
二の丸横堀
看板にある沢を利用した竪堀を登り、二の丸横堀西端部分の写真です。
因みに登った竪堀はただの沢だと思い写真は撮りませんでした。
後から鳥瞰図を見て、あ~、竪堀だったんだ!と気づきました。
この様な感じで西から東まで横堀&切岸が続きます。
なかなかの土木量で、しっかりと縄張りが形成されています。
横堀&切岸を東に進んで行くと内門があったとされる虎口まで来ます。
箕冠清水
清水というからには湧水なのか?と、思ったので色々調べてみたので
すが詳細は不明でした。枯れない鎧井戸といい、この池といい水は豊富
にあるので籠城戦における水の確保は心配いらない感じです。
城址碑
奥に建物がありますが、トイレとなっています。トイレ完備か、と安心
してはいけません。冬季(12月~4月)は閉鎖されており利用できません。
この日、帰り際に使用したのですがトイレの中は虫に占拠されており、
ホラー映画顔負けの光景が広がっていました。
(ここには事前に済ませてから登城する事を強くお勧めします)
二の丸広場
実は池を越えて南側へと進み、横堀まで行きました。
その横堀を越えて下って行けば竪堀が4条あるのですが、藪が凄くて
前に進む事ができませんでした。(竪堀見たかったなぁ~)
なので引き返し、内門虎口から帯曲輪へと進んでいきます。
帯曲輪城塁
こちらの箕冠山は驚くほど大きくはないのですが、主郭の下に設けら
れた帯曲輪群はそこそこの広さがあり、平になっています。
家臣の屋敷などの建物が沢山建っていたのでしょうか。
虎口
ここから主郭下の大堀切の向こう側(東側)帯曲輪へと向かいます。
帯曲輪から見る高田平野
なる程、ここは見張り台にも使える感じですね。
晴れていればなぁ~。
主郭横大堀切&土橋
主郭横にある大堀切を渡り、主郭へと進みます。
主郭到着
駐車場から真っ直ぐ寄り道しなければ30分位でこられると思います。
道が整備されているので、スニーカーでも安心してここまで来られます。
女性や子供、高齢者でも簡単に主郭までこられるので家族連れの方
にもお勧めの山城となっています。(ベンチもあるし、眺望もヨシ)
では主郭からの景色を見てみましょう。
主郭からの眺望
くっ、曇ってる…。晴れていれば最高のロケーションだったのに…。
天気予報を見て、「晴れの日」に登城しましょう。
北陸新幹線や鮫ヶ尾城も見る事が出来ます。
帰路に就く
ゆっくり散策したいがこの後、鮫ヶ尾城登城が控えているため名残惜
しいが下城する事にしました。
ご当地グルメ
ご飯の上にキャベツの千切りを敷き、揚げたてのトンカツを甘辛いソースに潜らせたものを上にのせた丼料理。
ここ箕冠城へ来る前、高田城編で食べたソースかつ丼です、最終日にも食べました。
こちらで食べました↓ Ctrlキーを押しながらクリックするとジャンプしません。
https://tabelog.com/niigata/A1503/A150301/15011351/
箕冠城
見所ポイント: 本丸、本丸眺望、帯曲輪、大堀切、二の丸、横堀、竪堀、鎧井戸、池等
駐車場: 箕冠城専用駐車場(15台位)無料
総評: この箕冠山は、海抜242mで三方が切り立った断崖となっており、東に大熊川、西に小熊川が流れている。戦国時代末期、上杉謙信の家臣大熊備前守朝秀の居城であり
現在は水堀・空堀・土塁・井戸・屋敷跡などが残っている。本丸からは春日山城をはじめ頸城平野(くびき へいや)を一望に、妙高、信越境の連山を見渡し、さすがは上越の豪族大熊氏の居城とうなずける。と、看板に書かれています、分かり易い説明ですね。
「 箕冠城 」、あまり馴染のない名前のマイナーな山城ですが、来てみてビックリ!
土塁を中心とした縄張り構成は実に見事で、各種土塁・空堀等がコンパクトに凝縮され、城の防御となっています。石垣はほとんど見受けられず、まさに土の城といった感じに上手に仕上がっています、「 城は土から成る 」とはよく言ったものです。
今回、4条の竪堀群は残念ながら見学できませんでしたが、冬季に近くを通りかかる事があれば(無いと思うが…)竪堀群をリベンジ見学したいと思っています。あと、看板の説明に " 水堀 " と書いてあったのだが、いったい何処にあったのか?見落としたのか? こんな魅力たっぷりの山城、箕冠城へ週末あたり訪れてはいかがでしょうか。